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グランデアモーレの強運/吉田竜作マル秘週報

  • 2012年08月15日(水) 18時00分
 うまくいく時は何をやってもうまくいく。あたかも成功から逆算したかのように――。この言葉がそのまま当てはまるのが、7月29日の札幌芝1800メートル新馬戦で牡馬を一蹴したグランデアモーレ(牝=父ネオユニヴァース、母ヒカルアモーレ・松田博)だ。

 今年の松田博厩舎の2歳にはこの馬の近親に当たるラブラバード(牡=父スペシャルウィーク、母グレイトフィーヴァー)がいる。ラブとグランデの母親は親子という関係。さらには生産、育成牧場まで同じ。調整も似たような進み具合…というのが行き違いの原因になったのか。牧場が「ラブラバードの方が進んでいるようなので札幌に入厩させてもらえないか」と打診したものの、なぜかグランデが入厩する方向で話が進んでしまう。

 かなり時間がたって双方の“誤解”が判明したが、検疫手続きの書類はすでに完成してしまっていたので、土壇場になってグランデアモーレを先に入厩させることに。若干とはいえ、思惑よりは少し早めの入厩になったのだから、馬体に余裕があったのは当然のこと。ゲート試験も1度落ちた。

 攻め馬の動きは悪くなかったものの、予定していた新馬戦はアドマイヤドバイ(牡=父アドマイヤムーン、母ロイヤルカード・橋田)が話題を独り占め。名門厩舎の良血馬としてはあまりに目立たない船出(5番人気)となったが…。何かに導かれるかのように直線でインが開き、そこを力強いフットワークで突き抜けてしまう。「いや、あれはびっくりしたな。それにしてもいいセンスをしている」と栗東に帰ってきた松田博調教師も「うれしい誤算」に表情を崩した。

 僚馬ラウンドワールド(牡)は未勝利勝ちのためGIII札幌2歳Sへの優先出走権がなかったが、先週土曜(11日)のオープン・コスモス賞を制し、賞金加算に成功。「まだわからん」とは言うが、札幌2歳Sはラウンドワールドとグランデアモーレの2頭出しとなる可能性も出てきた。ワンツーを決めればどちらもクラシックを戦い抜ける賞金をゲットできるが、果たしてトレーナーの采配はいかに!?

 さて、今週からは小倉に滞在して取材することになったが、心残りなのがピンゾロ(牡=父アドマイヤムーン、母メイショウユウゼン・領家)の栗東での追い切りを見られないこと。先週(9日)は「初めて追ったんだ」(領家調教師)という坂路で、関屋記念に出走したラインブラッドをアオる動きを見せた。順当に良化したとなれば、もっとすごい動きを見せてくれるのではないか。「まあ(初戦から)勝ち負けになる」(領家師)のは間違いなさそうだ。

※本日は『トレセン発秘話』も更新されております。下部のバックナンバーからご覧ください。

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