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カレン・デラックスと7枠でおっ拡げるアプローチ

  • 2012年09月27日(木) 12時00分
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スプリンターズSは基本7枠から拡げる
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このレースの7枠の強さについては去年も触れた。
特に強いのは13番。
過去7年で、3-0-1-2(1引き分け)。
引き分けとはもちろん去年ゲートで放馬して、発走除外になったビービーガルダンのことだ。

思えば、去年はこのコラムで13番に入れ〜〜! ビービーガルダン! として本当に入ったから卒倒しそうになった。
ビービーガルダンはミスター13番[1-2-1-0]だったから、ドスコイ度も高まり、通常1回でしめるシコも数度踏んでたように思う。

で、あの放馬。ほんとうに卒倒した。

「13番が来ると荒れる」は鴨川と神田川の寄合の符牒になってるけど、スプリンターズSだけは13番のお行儀はいいとも書いた(人気馬がちゃんと走る)。そんな自分の浅知恵、それさえもぜんぶ吹っ飛ばしてくれた!
だけどぜんぜん不満なんてなかった。あまりのおっピロがりっぷりにニギニギしい気分で壮快だった。
まあ、13番に関する馬券が返金されたことも余裕を与えてくれたのかもしれない。
結局負けなかった。ゆえに引き分け!

しかもオチというわけではないけど、13番が除外になったら、14番が3着に飛び込んできた! 14番は実質13番目。やっぱりスプリンターズSの7枠(15頭以上にかぎる)はスリリングでエキサイティングだ。

14番は過去6年で[1-1-1-4]の成績。足りないように思えるけど、13番が1着したときに2回4着に来てるから、[1-1-1-2](2待機)とも言える。

13番と14番を合わせると[4-1-2-4](1引き分け・2待機)という目を見張る成績!

この7年で7枠が馬券に絡まなかったことは5年前の一度きり。その5年前は不良馬場で内枠の逃げ先行馬が圏内を独占した。
実際、頑張ってる7枠13番は道中4番手以内の逃げ先行馬ばかり、7枠14番はそれよりも少し後方の道中4〜9番手の中団馬ばかりが馬券になっている。

馬券に絡まなかった5年前の13番は先行馬だけど1年ぶりの休み明けだったメイショウボーラーで、道中16番手追走で15着とお話にならず。14番のクーヴェルチュールも先行したときに好成績を残した馬だけど不良馬場が合わなかったのか、このときは8〜6番手追走で先行できず8着に敗退している。

つまり良馬場ならば今年も7枠13番、14番の期待をしていいのではないか?
特に逃げ先行したい馬にとってはこの時期(4週目)の中山フルゲート芝1200の13番は馬場がいい感じに熟されて、先手が奪いやすくなるのではないか? 

逆に14番は逃げだとダメ。14番より外の枠で逃げ・番手で圏内に入った馬は過去7年、いや10年でも1頭もいない(14番は先行〜中団くらいで最後にちょいと差せる足が欲しい。15、16番で馬券になったのは中団から差して2着したキンシャサノキセキのみ)。

今年の中山の芝は例年以上の高速馬場だから、さすがに今年は逃げ先行の13番の出番はないかと思われたけど、先週の雨中競馬、月曜日火曜日の曇天まじりの雨で例年同様の馬場状態に落ち着くかな? とも思っている(木曜日金曜日も雨まじりの予報だけど、週末は回復して、ギリ良馬場が理想)。1分7秒台ならば、今年も13番14番でまっとうなファンタジー、もしくはけしからん夢が見られるのではないか? 

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カレンチャンの馬体重
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前走5か月半の休み明けで+22キロ。
馬体重504キロでセントウルSを4着したカレンチャン。

これをどう取るか?

本番前のひと叩きであえて重めに作ったにしては、+22キロは重すぎると取るか、
プラス22キロでも0.1秒差の4着は強さの証明と取るか。

5歳秋頃以後に重めで牝馬が敗戦すると、
「お母さんになりたがってる」とするのが最近の定石のようになってるけど、
カレンチャンの重さもそう決めつけていいのか?

馬体重に関しては、当日の体重を見ないとなんとも言えないし、当日の馬体重を見たって、本当のところはよくわからないけど、カレンチャン単体、もしくは安田隆厩舎で見ると、この22キロはやっぱり引っかかる。

カレンチャンは過去+22キロで走ったことなどないからだ。

カレンチャンのデビューしてからの馬体重の変換と成績

474 2着
470 1着(-4)
470 1着(0)
466 8着(-4)
472 2着(+6)
474 1着(+2)
6か月休養
476 3着(+2)
476 1着(0)
478 1着(+2)
3か月休養
488 1着(+10)
486 1着(-2)
486 1着(0)
?  5着(香港)
3ヶ月休養
482 4着
482 1着
6か月休養
504 4着(+22キロ)

4歳の4月〜7月の休養中に10キロ増えて、そこから函館SS・キーンランド・スプリンターズSを3連勝した。
3か月で10キロ増えたのだから6か月で20キロ増えても机上ではおかしくない。けれど4歳の春〜夏の10キロと5歳の春〜夏の20キロを同じにとってもいいのだろうか?

いくら成長が本当だとしても、5歳だ。しかもこのレベルの馬だ。
そういう別格の馬の体重増を気にせずにいられるものだろうか?

同じ厩舎の同じ5歳馬のダッシャーゴーゴーも新馬502キロから前走534キロと32キロも増えている。しかし、10キロ以上増えた時期は2歳の新馬→2戦目の+12キロ(2ヶ月)と3歳暮れ→4歳春の+14キロ(3ヶ月)の2回。馬齢的には2歳〜4歳春の出来事で、5歳になって増えてるわけではない。

この馬のオーナーは個人馬主だけど、引退後、社台Fに戻るとしたら、だいたい5歳までか6歳春までの現役生活か。
で、すでに引退モードに入っている?
お母さんになりたがってる?

否!

いや否!とは言いいきれない。
言い切れないけど、

否!と言いたい。
なぜなら、この20キロ増には厩舎関係者の狙いがあるからと思いたいからだ。

なぜならその方が圧倒的にファンタスティックだし、拡がるからだ。

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カレン・チャンからカレン・デラックスへ
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狙いは香港ではなかろうか?
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ここからはすべて妄察です。思い込みです。おヒマな方だけおつきあいください。

カレンチャンをカレン・デラックスへと肉体改造する計画があるのではないか?
そう考えるといろいろとつじつまがあう。

思えば去年、香港スプリントで5着に敗れた。そのときの池添騎手のことばは強く印象に残っているし、それが陣営の一致した思いにも思えた。

「体が大幅に減っていましたが、状態もある程度戻ってレースができたと思います。スピードに乗ったのですが、4コーナーで控えてブレーキをかけることになったのが残念。また挑戦したいですね」(2011.12.11 Gallop Onlineより)

つまり、馬体が減らずにもっとスムージーに競馬ができさえしたら、勝てる! そんな手応えを掴んだ! と言ってるようにも読める。
国内のスプリントG1は2つ。その2つのG1、高松宮もスプリンターズSも勝った。
残すは、去年5着に敗れた香港スプリントの1着のみ!
そこをモチベーションとして、カレンチャンの調整をしてきているとしたら、すべて合点がいく。

まずは馬体を減らさない。
いや、輸送等で減らさないことは難しい。
減ってちょうどよくなる馬体重にしておきたい。

それが10キロではなく20キロなのではないか?

スプリンターズ(中山)への輸送、香港への輸送。
この2回の輸送を想定して、+20キロ。

う〜〜〜ん……ぜんぜん無理がない!

実際は+22キロで504キロ。

う〜〜〜ん……デラックス!

もはやチャンではなく、デラックス!
カレン・デラックスだ。

カレン・デラックスで香港スプリント狙いだ!

と決め付けたいところだけど、まだ足りない。

一昨年のコラムでも書いたけど、香港セン馬は540キロを超えるマツコなデラックス馬が多い。
そういう馬たちに太刀打ちするには、香港で500キロ、それでちょうどいいのではないか?

つまり、さらなる馬体増だってないとは言えないし、むしろそうなったときに初めてカレン・デラックスが誕生するのではないか?

となると、焦点は今週のスプリンターズSを何キロで出て来るか!? そこだ。

もしスプリンターズSで馬体重がマイナス数キロだったら、妄察はだいたいビンゴ!
もし馬体重が脅威のプラス体重だったらビンゴビンゴ、ビンゴカンタ!

カレン・デラックスへGO! 一直線だ!! ヤッターーーー!!!

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ダッシャーゴーゴーとカレンチャンのポジションチェンジ
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スプリンターズSに安田隆厩舎は3頭を出走させる。
カレンチャン 5歳牝馬
ダッシャーゴーゴー 5歳牡馬
ロードカナロア 4歳牡馬

今年のスプリンターズSへの臨戦は、

カレンチャン 休養→9・9セントウルS4着→
ダッシャーゴーゴー 休養→7・1CBC賞3着→8・26キーンランド2着→
ロードカナロア 休養→6・17函館SS2着→9・9セントウルS2着→

去年のスプリンターズSへの臨戦は、

カレンチャン 休養→7・3函館SS1着→8・28キーンランド1着→10・2スプリンターズ1着
ダッシャーゴーゴー 休養→6・12CBC賞1着→9・11セントウルS3着→10・2スプリンターズ11着
トウカイミステリー 休養→8・14北九州記念1着→9・11セントウルS11着→スプリンターズS9着

今年は、去年7/3に行われた函館SSが6/17に前倒しされ、去年6/12に行われたCBC賞が7/1に行われた。ちょっとした入れ替わりがあった。
つまり、今年のダッシャーゴーゴーのローテは去年のカレンチャンのローテに酷似してると言える。

去年のカレンチャン
7・3→8・28→10・2

今年のダッシャー
7・1→8・26→9・30

レース名を外して見つめれば一目瞭然!

ついでに言えば、カレンチャンは去年3戦目でスプリンターズを勝った。
今年のローテの3戦目は(出走するならば)香港スプリントにあたる。

つまり今年の安田隆厩舎の目標は、
ダッシャーで国内(スプリンターズ)を勝ち、カレンチャンで海外(香港スプリント)を勝つ!
そういうことではないだろうかーーー!?

だからこそ函館SSはロードカナロアで勝ちたかったのではないか? セントウルSもロードカナロアで勝ちたかったのではないか?
3頭の馬主はすべて違うのだから、当然だろう。勝てるべきレースを取りこぼしたくないはず。

しかし勝てなかった。
人間の思惑どおりには進まない。それも競馬。
だから、今回だってわからない。
カレンチャンは勝つかもしれない。
ダッシャーはやっぱり少し足りないかもしれない。
ロードカナロアがかっ攫うかもしれない。

いや、妄察そのものが単なる気のせいかもしれない。

けれども。

けれどもだ。

今年も主要短距離レースでは1番人気は勝ってない。
高松宮 1着2番人気
函館SS 1着2番人気
CBC賞 1着2番人気
アイビス 1着7番人気
北九州 1着8番人気
キーンランド 1着3番人気
セントウル 1着6番人気

予想ではカレンチャンは1番人気。
過去1番人気で勝った馬は前哨戦でも1番人気を受けて、弾き返している馬ばかり(香港馬は未知)。
逆に1番人気で負ける馬は、前哨戦を1番人気で負けてるか、前哨戦を1番人気以外で勝って、本番で1番人気に支持された馬が多い。

今年のカレンチャンの臨戦、馬体重、目標、デラックス……等を考慮すると、
1番人気ならば、むしろ嫌ってみたい。

だからこう考える。
カレンチャンは当日の馬体重が

マイナス10キロ以内だったら…アリ(馬券圏内)
マイナス10キロ以上だったら…ナシ(むしろナシ)
プラス0以上だったら…マツコ

もちろんお楽しみはカレンチャンのプラス体重。
プラスならば、「日本の競馬ではなく香港の競馬に合うように肉体改造中」というデラックスなお楽しみと「1番人気馬の重め残りで取りこぼし」という馬券的お楽しみの両方で、おっピロがる!

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その他注目どころ
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スプリンターズS・逃げどころ
パドトロワVSキャプテンオブヴォイス

JRA最年長騎手が逃げたいと主張したら、シンガポールのチャベス騎手はどうするのかな?
知ったこっちゃないかな?
キーンランドでも感じたけど、今回もアンカツはレースがしやすいと思う。
キャプテン以外にパドトロワの行く手を阻まないと自身の良さが消される事情のある馬が見当たらないから。

アンカツにとっては逃げ、もしくは番手が主張しやすいメンバー構成ではないか?
自分はアンカツのカウントダウン・パレードはもう始まってると(勝手に)思っている。だから一戦一戦必殺の構えで馬券検討中。敬老の日は単を狙って3着だったから、今回は奥ゆかしく複系で仕留めてみたい。うは。

ダッシャーゴーゴー…カレンチャン・ローテだから。

マジンプロスパー…1着・圏外・1着・圏外ホース。大魔神だけに速球・フォークボール・速球・フォークボールてな感じか。セントウルはフォークだったから今度は直球? 福永騎手は過去(2-0-0-1)。直球もフォークも経験済み。
エピセアローム…牝馬は気分。今一番気分が良さそうな牝馬はエピセアローム。アストンマーチャンみたいに53キロで輝ききれるか!?

ラッキーナイン…6歳7歳で完成するイメージのある香港セン馬だけど、この馬は去年4歳で来日した珍しい香港馬。もし通常の香港セン馬と同じ成長曲線を描いているとしたら、まだわからない。
リトルブリッジ…ラッキーナインと同等の評価ならば、やっぱり気にかけておきたい。

今年のスプリンターズSはいろいろとおっピロがるなぁ〜〜。

スプリンターズS・拡げどころ
カレンチャンの馬体重
7枠13番・14番の馬

追記・尖閣問題で、今年は香港から招待されず! そういうことも十分考えられる。
仮にめーいっぱい、おっピロげることに成功したとしても、土壇場で折りたたまれることもあるわけだ。
そういうことも含めて、いろいろと拡がるスプリンターズSでございます。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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