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クロフネはプチ・スケバン系にかぎる?弥生賞はいまだ武豊のもん?

  • 2013年02月28日(木) 12時00分
今週はチューリップ賞と弥生賞と大好物のオーシャンSがあるので、駆け足してみる。

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チューリップ賞
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クロフネ産は牝馬が優秀。これは皆さんご存知のとおり。
でも知ってました? 
■クロフネ産って新馬初戦を負けて、2戦目、3戦目で勝ち上がった馬しかG1馬になれてないってことを。

以下は父クロフネのG1ホース

フサイチリシャール牡 2戦目1着(4着→1着)
スリープレスナイト牝 3戦目1着(2着→3着→1着)
ホエールキャプチャ牝 2戦目1着(2着→1着)
カレンチャン牝    2戦目1着(2着→1着)

みんな初戦を取りこぼしている。
むしろ初戦を取りこぼせないクロフネ産はマジメすぎてダメかもしれない。
牝馬が3頭。牡馬が1頭。

ふつうは逆。マジメな女子、不真面目な男子。
優等生な委員長と無頼派を気取る男子。
もちろん委員長は女子。
「柏手クン、マジメにして!」とか言われて、
「委員長〜!!」と応えるあのやり取り。二人はもちろん幼なじみ。やっほー!
おっと、少し引っ張りすぎたか? すみません。
だいたいこの場合の「ふつう」も「人間界」のそれも「40代後半」の、しかも「セイガク時代にぜんぜんモテなくて、委員長にあこがれていた極一部の男子」の「妄想的ふつう」にすぎない。

でもこれには理由がある。情状的理由がある。
優秀なクロフネ産牝馬は上記したG1ホースに限らず、どれもこれも初戦取りこぼしの馬ばかりだからだ。
委員長〜!!と呼びたくなるような馬がぜんぜんいない!
むしろ、新馬初戦などかったりぃ〜ぜよ! なスケバン系な牝馬ばかりだからだ。

G1以外の重賞馬もこんな具合。
オディール牝 初戦かったりーぜよ!3着 2戦目1着
マルモセーラ牝 初戦かったりーぜよ!2着 2戦目1着
ブラボーデイジー牝 初戦かったりーぜよ! 8戦目1着
ストークアンドレイ牝 初戦1着 委員長!

全8頭の重賞ホースがいて、7頭が牝馬。
全8頭の重賞ホースがいて、7頭が新馬初戦を取りこぼし。

こぼさなくて重賞を勝った馬は現3歳のストークアンドレイのみ。
この馬は新馬1着→函館2歳1着と連勝したあと、10・15・10・10・12着。
この成績を見せられると、委員長じゃなくていい! 初戦取りこぼしのスケバン系でお願い! と馬主でなくとも言いたくなる。
(委員長系もいいけどスケバン系もスキぜよ。むふ。)

そういえば父クロフネ自身も初戦2着、2戦目1着した馬だった。
強いクロフネ産には父の優秀な脚力とともに、初戦?かったるいっつーの気質がもれなく付いてくるのかもしれない。

とはいえ、2戦目、3戦目で自らの過ちに気づき、すぐに優等生になれないとダメ。だからプチ・スケバン。
そう思うと初勝利に8戦を費やして、やがて福島牝馬Sを勝ち、ヴィクトリアマイルを11人気で2着するに至ったブラボーデイジーは逆に愛おしくもある。

■今年はチューリップ賞にプチ・スケバン系の期待を抱かせるクロフネ牝馬が2頭、委員長?じゃないよね?的なクロフネ牝馬が1頭登録している。

スケバン系?
クロフネサプライズ 初戦4着→2戦目1着 
レッドフォーチュン 初戦4着→2戦目1着

委員長?じゃないよね?
アルテミシア 初戦1着→2戦目9着

アルテミシアは2戦ともにダートで、ダートしか経験のない馬。クロフネ産なら怖いところもあるけれど、2戦目のダートで大敗していて、ここではいらないと判定。ここで大事なのはやっぱり2戦目での変わり身だし。

■クロフネサプライズ 父クロフネ 母父トニービン
カレンチャンと似た配合。

■レッドフォーチュン 父クロフネ 母父サンデーサイレンス
ホエールキャプチャと似た配合。

どっちもビジネスモデルがある。頼もしいぜよ。

■クロフネサプライズは4着→1着したあとに9着→1着→そして阪神JF2着。
阪神JFは15人気で2着!

もしかしたら、阪神JFが一世一代だったか!? あそこがベストの買い時だったか!?
そんな心配がないわけじゃないけど、先行したときはまだ底を見せてない。そこは大きな魅力だ。
(3戦目の9着は先行できずに負けた9着。同配合のカレンチャンもデビュー4戦目で8着に負けているけれど、同じように先行できずに負けていた。)

■レッドフォーチュンは、ここがまだ3戦目だけど、チューリップ賞は前走新馬勝ちの馬よりも、前走未勝利の方が好成績の残せるプチ・キャリア系レースでもある。

これは去年も書いたけれど前走新馬1着の馬を買うよりも、前走未勝利1着の馬を買ったほうが馬券になる確率は絶対的に高い。
→この10年で前走新馬1着の馬の馬券圏内なし。
→この10年で前走未勝利1着だった馬は2勝3着3回。
→前走未勝利で馬券圏内入りした馬のキャリアは2戦〜4戦。芝勝利が理想。
(阪神競馬場は改修された07年以後の成績が大事かもしれないけれど、前走未勝利勝ち馬は改修前も改修後も同じように馬券に絡んでおり、そこは無視できる)

今年該当する馬はレッドフォーチュン1頭のみ。
レッドフォーチュンが幸運なのは前走騎乗して1着させたビュイックが再び騎乗できることか。
ビュイックは重賞では先行させて、最後もうひと伸びさせるのが上手だから、ここでも頼もしい。

■チューリップ賞では過去2頭のクロフネ牝馬が2着、3着している。
→改修前と改修後で1頭ずつ馬券になってるから、ここでも改修前後を無視できる。

■シェルズレイ(母父ウイニングチケット)
06年チューリップ賞2着 3戦目1着(7着→2着→1着)

■オディール(母父ダルシャーン)
08年チューリップ賞3着 2戦目1着(3着→1着)

オディールは前述したとおり2戦目1着だけど、シェルズレイも初戦でカッタリーノして、3戦目で1着した馬。シェルズレイの母父ウイニングチケットはトニービン系だから、ここではクロフネサプライズに近い。うむ、やっぱり頼もしい。

新馬初戦で躓き、2戦目3戦目で勝ち上がったすべてのクロフネ産が優秀というわけではないが、
少なくともクロフネ牝馬は新馬初戦で躓いて、2戦目か3戦目に勝ち上がった馬からしか優秀な馬は出現しないとは言えそう。

とはいえ、このチューリップ賞がクロフネ牝馬的に大事なレースかと問われれば、そこまでとは思わない。ただ今年は1番人気の単勝オッズが断然の1倍台になるとも思えず、やや混戦にも思える。
ならば将来的展望は横に置いて、ここでの健闘を期待してもいいのではないか?

先行勢はそれなりに多いけれど、スローで先行してきた馬が多い。
これならば速いペースでもしぶとく踏ん張れるクロフネサプライズで十分勝負になるような気がするぜよ。

予想ではおそらく3、4人気。
阪神JFとは違って,今回はマークが厳しくなるかもしれないけれど、鞍上は武豊だ。露骨なマークはない!(はず!ぜよ!)

レッドフォーチュンは予想10、11人気。
過去前走未勝利で馬券圏内に入った馬の人気は、10・2・5・8・9。
過去歴から見ても、おいしそうな人気ぜよ!

■1番人気は改修後、すべて馬券圏内。単オッズの見物しがいあり。
ウオッカ   1着 単1.4
トールポピー 2着 単2.2
ブエナビスタ 1着 単1.1
アパパネ   2着 単2.2
レーヴディソール 1着 単1.1
ジョワドヴィーヴル 3着 単1.3

単1倍台で1着、単2倍台で2着。それを交互に繰り返していたから、去年1.3倍だったジョワドヴィーヴルはてっきり1着かと思っていたけれど、3着だった。

今年の1番人気はおそらくレッドオーヴァルかローブディザージュ。
2倍台で競い合うか?
直近の流れならば2倍台の1番人気は2着。

レッドオーヴァルは前走マイナス8キロで436キロ。
賞金は1350万円。
ここで3着以内に入らずとも桜花賞はギリギリ出走できそうか。
ならば、馬体重をゆったりたっぷり戻してくるのではないか?

ローブディサージュも賞金はたっぷりあるから、桜花賞のための試走で十分のはず。

人気馬2頭に勝ち負けの激しい動機は見つけにくい。結果的に勝ち負けすることはあっても、激しい衝動はないはず!

■クロフネサプライズも賞金は十分足りてるけれど、逃げ先行系の馬だから、ふつうに走ればそれで十分。レッドフォーチュンはビュイックでチューリップ賞の権利取りを狙っていないはずがない。

■ひとネジりするなら、グッドレインボー。
父ステイゴールド×母父クロフネの父と母父のポジション・チェンジが実際どんなもんかわからないけれど、この馬も新馬カッタリーノ系。
着順だけ見ると、なんだか親近感が沸く。

2着→2着→1着で、前走エルフィンS3着。

この馬のカッタリーノ成分が父ステイ系なのか母父クロフネ系なのかよくわからないけれど、
ついでに誰が騎乗するのかもよくわからないけれど、一応注目しておこう。

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弥生賞は誰のもんか?
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■弥生賞は依然、武豊のもんか。

以前は断然、武豊のもんだった。
弥生賞に全14回騎乗して(7−5−0−2)!!
着外2回は、1人気で6着したザッツザプレンティと5人気で7着したグレイトジャーニーのみ。

ザッツザプレンティは1人気で負けたけれど、基本的には武豊はだいたいの人気さえあれば盤石だった。
1人気(4−2−0−1)
2人気(2−2−0−0)
3人気(1−0−0−0)
4人気(0−1−0−0)
5人気(0−0−0−1)

武豊のものだったと過去形で書いてしまったけど、ヴィクトワールピサで1人気1着してから、弥生賞では騎乗してないのだから、過去形で書くのは間違いかもしれない。
正直、昨今の競馬から「断然」感は弱まったかもしれないけれど、こと弥生賞に関してはまだわからない。
まだ武豊のもんかもしれない。

今年はキズナで出走する。
キズナは予想3番人気。
武豊のもんならば、勝ち負けの人気だ。

キズナはノースヒルズの馬で非社台系ではある。
過去の弥生賞での勝ち負けは社台系生産馬が多い。ここは少し気になるところだけれど、実際はそれほど気にする必要もなさそう。

社台系(5−4−0−1)
非社台系(2−1−0−1)

ランニングゲイルは非社台系だったけど、武豊は3番人気で1着させた。
キズナも予想では3番人気。
まだわからない。

そういえば去年は、武豊が騎乗していなかったので、「弥生賞は7番人気で松岡のもん」と提案してみた。相当薄いところを提案してたなぁ〜、勇気あるなぁ〜と今さらながら自分でもビックリだけど、今年は松岡騎乗予定馬は今のところない。
ならば、ここは一旦引っ込めて、タンスにしまったはずの「武豊のもん」を引っ張り出した方がスリリングなはず。

もし、「断然!」ならば、人気以上に走らせるはず。
断然!でなくても、武豊のもんならば、馬券圏内に走らせるはず。
このままタンスから出しっ放しにするか?
今一度タンスにしまい直すか?
それだけでお楽しみは広がる。

■マイネルクロップも父クロフネだったりするぜよ。

マイネルクロップ 父クロフネ×母父サンデーサイレンス
新馬初戦4着 2戦目1着

4着→1着は前述した牝馬2頭とまるで同じ。
本当は牝馬だけの現象と言い切りたいけれど、フサイチリシャールの成功例もあるので、それほどむげにできない。

過去の弥生賞でも、
去年2着したトリップはクロフネ×サンデーサイレンスだった。
5年前2着したブラックシェルもクロフネ(母父ウイニングチケット)だった。
2例もある。
チューリップ賞では2例あれば十分みたいにアゲアゲで書いた。
ならばこちらでも十分みたいに書かないとまずい気がする。

■違う! 弥生賞は岡田系のもんだ!

マイネル・コスモ、いわゆる岡田繁幸氏系の馬はこの10年で7頭も馬券圏内に突入している。

コスモインペリアル 7人気3着
コスモバルク 2人気1着
マイネルレコルト 2人気3着
マイネルチャールズ 2人気1着
モエレエキスパート 7人気3着
プレイ 7人気2着
コスモオオゾラ 9人気1着

岡田繁幸氏系の関係者に言わせれば、弥生賞は岡田系のもんだ! かもしれない。
こうなるとマイネルクロップはやっぱり無視しにくくなる。

俺(武豊)のもんだ! 我々(マイネル軍団系)のもんだ!!

こうなると頃合いを見て、
「いいえ。弥生賞は誰のものでもありません。みんなのものです」
と委員長がしゃしゃり出てくるはずなんだけど、
ずっと書いてるように今週は委員長はいない。惜しい!

無理に和解させるならば、
「弥生賞は武豊のもんだ」はA面!
「弥生賞は岡田系のもんだ」はB面!

A面かB面か、もしくはABダブルか。
参考までに書いておくと、
過去10年で馬券圏内に
A面だけのとき・過去3回
B面だけのとき・過去5回
ABダブルのとき・過去2回

■違う! 弥生賞は1、2番人気のもんだ!

これは誰もが書いてることだろうけど、話の行きがかり上、自分も書かせていただく。
1、2番人気のどちらかがほぼ毎年勝っている。
この10年で1番人気6勝、2番人気3勝(例外は去年の9番人気・16頭立てだった)。
ふつうに1人気、2人気はエラい。
今年はおそらく1人気エピファネイア、2人気コディーノ……
う〜む…どうしようもない気がする。

■違う! 弥生賞は6、7番人気のもんだ!

この10年で8回6番人気か7番人気の馬が馬券圏内に突入している。
1、2番人気と6、7番人気の組み合わせでワイドを買うだけで(4点)、この10年で大幅なプラス収支だった(ワイドダブル的中も3回!)。

15頭立て以上のときはひとひねり必要かな?(内枠が例年以上に大事になりそう)とは思うけれど、今年はおそらく13頭立て以下。だからひねりなんていらない。

身も蓋もないけど、な〜〜んも考えずに1、2番人気×6、7番人気のワイドでだいたいオレのもんにできる。

弥生賞は誰のもんか?

1、2番人気のもん。

弥生賞は誰のもんか?

6、7番人気のもん。

いろいろとこねくり回して、反発して、センコーに逆らったり、スケったり、ヤンキったり、カトウったり、マサルったりしても、
結局終わってみれば、人気馬が勝ち負けして、深く反省している自分が見える。

そこに無理に逆らうつもりはない。
だからせめて、1番人気〜2番人気、もしくは6、7番人気にキズナかマイネルクロップが該当してくれれば……と思うばかりだ。

いや1番人気・2番人気は現状ではとても無理。
6、7番人気で期待したいところか。
おもむろにnetkeiba.comの予想オッズを拝見……おっとー!!

該当は遠い! 遠いぜよ!

ただそういうデータをひっくり返しての武豊力だし、岡田系力だとも思う。
うむ、楽しみだ。

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大好物のオーシャンS
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■1枠〜3枠の馬しかみない。
■その中から6番人気〜9番人気の馬を抜粋する。
■該当馬をじっとみる。
■この馬はないだろう…
■いや…もしかしたらあるかも……
■そう思った馬の複勝を買う。
■これでこの10年で7年幸せになれた。

■1枠〜3枠の馬しかみない。
■その中から9番人気〜14番人気の馬を抜粋する。
■該当馬をじっとみる。
■この馬はないだろう…
■いや…もしかしたらあるかも……
■いやいや……いやいやいや。
■そう思った馬の複勝を買う。
■これでこの10年で6年やや大きめに幸せになれた。

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結局、チューリップ賞も弥生賞も武豊騎手から目が離せなくなってる自分がいます。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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