【栗東】
◆ライトニングロアー(牡、父ステイゴールド、母ソブストーリー、栗東・佐々木晶三厩舎)
福永騎手が騎乗予定のライトニングロアー
ノースヒルズ生産、佐々木晶三厩舎は、今年の日本ダービーを勝ったキズナと同じ。それだけに、注目を集めているが、入厩からゲート試験に合格するまで、相当長い道のりだった。
少し怖がりなところがあり、ゲートが開く音に驚き、隣りの馬が出たところで再び驚くという、ゲートを出るにあたって、マイナスが重なっていた。そのようなこともあり、じっくりとゲート練習。レースでも騎乗予定の福永祐一騎手が跨るようになり、ようやくゲート試験を受ける態勢が整い、試験を無事にパスした。
その後、坂路での追い切りを消化しているが、7月17日に坂路4F53.7〜1F12.8秒をマーク。19日には、念のため、ゲートを再度練習したが、その時は少し出遅れるといった程度。時間は要したが、陣営が馬本位の仕上げに徹したことで、大きな期待を持って、7月28日(日)新潟芝1600mのデビュー戦を迎えることができそうだ。
◆ラヴィーネ(牝、父ゼンノロブロイ、母レディイン、栗東・安田隆行厩舎)
イチオクノホシ全妹ラヴィーネ
全姉イチオクノホシは新馬、サフラン賞と連勝し、阪神JFでも4着と2歳戦から活躍。本馬は6月13日にグリーンウッドから栗東へ入厩しているが、姉同様、早い時期から走れそうな動きを見せている。
7月17日にCWコースで、アウトシャイン、クイーンズシアターを追走する3頭併せの追い切り。先頭アウトシャインとは2秒近く差があったため、ゴールでは追いつくことができなかったものの、この馬自身は1F11.7秒と鋭い伸びを見せた。デビュー戦は、7月28日(日)新潟芝1400mを福永祐一騎手で予定している。
◆ハッピーロングラン(牝、父ネオユニヴァース、母ハッピーラン、栗東・安田隆行厩舎)
武豊騎手でデビュー予定のハッピーロングラン
近親に2009年函館2歳Sを制したステラリードがいる血統で、本馬は、7月3日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩している。ちなみに、レースでの騎乗が予定されている武豊騎手は母が現役時代のデビュー戦(3歳未勝利)に騎乗しており、3着だった。
本馬は7月17日に坂路で先週デビューしたレッドアルヴィス(3着)と併せ馬。2馬身ほど遅れる形だったが、こちらも余力あり、4F53.0〜1F12.6秒は決して悪くない数字。目一杯に追われて、同じような時計だった、7月10日よりも動きは良化している。7月28日(日)小倉芝1200mでのデビュー戦を予定。
◆カシノタロン(牝、父バゴ、母カシノエスケイプ、栗東・梅内忍厩舎)
初戦向きのカシノタロン
半兄カシノランナウェイは昨年の九州産限定の2歳新馬を2着に3馬身差をつける完勝。その後のひまわり賞(オープン)でも2着している。
本馬について、梅内忍調教師は「追い切りの動きはいいですよ。ゲートも速いので、初戦向きだと思います」とのこと。7月18日のCWでは、新馬クリノプリムラとの併せ馬。レースでも騎乗予定の国分優作騎手が跨って、併走の外、しっかり追われて、6F82.3〜5F66.5〜4F52.8〜3F39.3〜1F13.6秒。終いは時計を要したが、全体時計は新馬として水準以上。兄同様、新馬勝ちの期待も十分可能だろう。
【美浦】
◆パリーアーク(牡、父ディープインパクト、母ムーンライトダンス、美浦・加藤征弘厩舎)
現5歳の全兄ムーンリットレイクは同じく加藤征弘厩舎で管理され、通算8戦5勝のオープン馬。今後、さらなる飛躍が期待されている。本馬は5月31日に入厩し、じっくりと調教を進められてきた。「心肺機能がいいし、入厩して時計を出し始めてから良さを見せ始めてきた。ちょっとモノが違う感じだし、初戦からは勿論、先々まで期待の1頭です」と加藤征弘調教師。ここ2週の追い切りに騎乗した戸崎圭太騎手も能力を感じており、デビュー戦のレースぶりに注目したい。7月28日、函館の芝1800mを戸崎圭太騎手で予定している。
◆ヒーラブズミー(牝、父ディープインパクト、母ロリータ、美浦・矢野英一厩舎)
母は独1000ギニーの勝ち馬で同国の3歳牝馬チャンピオンに輝いた。母の父Lavircoも独ダービーの勝ち馬で血統的な魅力がある。3歳上の半兄フェアユースはダート1200mで1勝しており、この馬もスピードタイプのイメージだ。「気のいい牝馬で1頭でもしっかりと走れる性格。その前向きさを考慮して色々と教え込んでいきたい。しまいに脚を使えるよう、うちの厩舎で言えばイチオクノホシのようなタイプに育てていきたいですね」と矢野英一調教師。7月28日、新潟の芝1400m(牝)を吉田豊騎手で予定している。
◆マイネルスパイアー(牡、父Dixie Union、母Committed Actress、美浦・国枝栄厩舎)
祖母のコミッティドはアベイユドロンシャン賞など英仏米でGIを3勝。従兄弟にBCターフなど米GIを6勝したイングリッシュチャンネルがいる。先週の17日には坂路で4F52秒8をマーク。それほど時計的には目立たないが、常に余裕十分の手応えで動いている。国枝栄調教師が「仕上がりは順調。いいところがありそう」と言えば、「全てにおいてズバ抜けている。先々は大きいところを意識できそうな素質を感じるし、初戦から楽しみでしかないですね」と松岡正海騎手もポテンシャルの高さを絶賛。7月28日、新潟の芝1600mを松岡正海騎手で予定している。
◆シュタインベルガー(牡、父ディープインパクト、母ロイヤルファンタジー、美浦・国枝栄厩舎)
母は独セントレジャーの勝ち馬。Galileo産駒の半兄ミッションモードは新馬戦や葉牡丹賞など3勝している。当初は前週の福島でデビューさせるプランもあったが、広い馬場を求めて新潟にスライドした。「まだ気性的な幼さがあるけど、馬格もあるし、いいモノは持っている。現状は広いコースのほうが良さそう」と国枝栄調教師。こちらも7月28日、新潟の芝1600mを蛯名正義騎手で予定している。