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エピファネイアは上手に土俵入りできるか? よいしょ!

  • 2013年09月19日(木) 12時00分
 ダービー最先着馬(5着以内を想定)が神戸新聞杯で1番人気になったら、それだけでお手上げだ。

 この11年で該当馬は6-2-0-0。パーフェクト連対。

 今年の神戸新聞杯にはダービー2着のエピファネイアがいる。

 間違いなく1番人気だろう。ならばどうしようもない。

 今年の神戸新聞杯もオルフェーヴルやゴールドシップ同様の横綱相撲!?

 ノンノン! 土俵入りを観戦するレースになるのではないか。

 そう、今思えば、オルフェーヴルもゴールドシップも横綱相撲というより、その前段階の土俵入りだった気がする。レースに余裕や貫禄があった。横綱相撲はむしろ菊花賞ではなかったか。

 まあそのくらいの貫禄競馬で神戸新聞杯を勝たないと菊花賞を1番人気で勝つことなどできないのだろう。

 今年はエピファネイアと人気を凌ぎ合いそうな馬も見当たらない。ここ2年同様に1番人気馬の土俵入りになる可能性はある。

 ふつうにスタートを切って、3角から4角にかけて、徐々にせり上がっていき、直線に向いたら、

「よいしょ!!」

 そんなかけ声を思わず出したくなる、四股を踏むように圧勝する。そんな競馬。そんな貫禄。

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神戸新聞杯の基本
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軸の捉え方
■1番人気より大事なダービー最先着馬の捉え方(過去11年)

【ダービー最先着馬が1番人気に支持されたら、2連レベルで絶大。】
【ダービー最先着馬(目安5着以内)が1番人気以外だったら、3連レベルで信頼大。】

 神戸新聞杯は、1番人気を大事にすべきレースではある。

 なんせ神戸新聞杯1番人気の成績は、

 過去11年で(6-3-0-2)と素晴らしい成績だからだ。

 しかし、それ以上にダービー最先着馬が大事なことが過去の成績から見える。

 神戸新聞杯に出走したダービー最先着馬の神戸新聞杯の成績は、

 (6-4-1-0)パーフェクト圏内!

 ちなみにダービー最先着馬が1番人気に支持されたら、

 (6-2-0-0)パーフェクト2連軸!

 たいていはダービー1着ないし、2着馬が神戸新聞杯で1番人気になる。そういう馬はたいていダービー最先着馬だから、当然勝ち負けだ。しかし、ときどきその均衡が崩れることがある。ダービー最先着馬がダービー最先着ではない馬に人気で負けるときがあるのだ。

 07年の神戸新聞杯1番人気はダービー7着のフサイチホウオーだった。ダービー最先着馬はダービ-2着のアサクサキングスで神戸新聞杯は5番人気だった。この年のダービー馬は牝馬のウオッカ。アサクサキングスはダービーを14番人気で2着し、宝塚記念を11人気で15着しての参戦だった。ダービーをフロック視されての5番人気だったのかもしれない。

 一方フサイチホウオーはダービー1番人気で7着に負けた馬。皐月賞も3着だったし、巻き返して欲しいという願いも1番人気支持になったのかもしれない。

 しかしレースはアサクサキングス2着、フサイチホウオー12着。

 (フロック視されていても)ダービー2着馬はダービー7着馬より上であることを証明した。

 同じことが09年の1番人気アンライバルドにも言えた。アンライバルドはダービーを1番人気で12着惨敗。しかし皐月賞を3番人気で1着していた。最先着馬はダービー2着のリーチザクラウン。

 結果はダービー最先着で3番人気のリーチザクラウンが2着し、アンライバルドは4着に惜敗した。

 1番人気とダービー最先着馬が一致すれば最高だけど、一致しない場合はダービー最先着馬を優勢にとった方が的中率は上がる。

 今年の最先着馬エピファネイアはダービー3人気2着で、しかも皐月賞も2人気2着で、フロック視される要素はない。必然の1番人気。土俵入りの期待が高まるのは言うまでもない。

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太刀持ちと露払い
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 エピファネイアが土俵入りするならば、あとは相手を探すのみ。

 例年どおりならば、ダービー出走馬か、上昇のダービー非出走馬となる。うむ、実に定石どおりだ。

ダービー出走組(露払い候補)
■ダービー出走馬が圧倒的に強い。過去11年中10年でダービー出走馬が圏内に2頭以上しめていた。
神戸新聞杯1着から3着の内訳
ダービー出走馬3頭占め 3回
ダービー出走馬2頭占め 7回
ダービー出走馬1頭のみ 1回

 基本的にはダービー出走馬2:非出走1で馬券を構築すべきだろう。

 問題は12年がダービー出走馬1:非出走馬2であったこと。最近はダービー3頭占めがまったくなく、08年→11年まで2:1の流れで来て、12年が1:2だった。

 1:2の流れは今年も継続するか? ここは妄察どころだ。

 12年はダービー出走馬が15頭中3頭しかいなかった。1/5。少ない上にダービー着順は5着、9着、18着と実質実績馬は2頭とも言える割合だった。

 ちなみにその3頭の神戸新聞杯の成績は、
ダービー5着・ゴールドシップ→1人気1着
ダービー9着・ベールドインパクト→4人気10着
ダービー18着・ヒストリカル→3人気7着

 今年は20頭登録(フルゲート18頭)で、ダービー出走馬は5頭登録。
エピファネイア 2着
テイエムイナズマ 6着
タマモベストプレイ 8着
アクションスター 14着
ミヤジタイガ 18着

 ダービー出走馬から相手を選ぶならば、着差1秒以内のテイエムイナズマ・タマモベストプレイ・アクションスターの3頭か。

穴の捉え方(太刀持ち候補)
■穴ならばダービー非出走馬の中から探すのがもはや定石。定石とは当たり前のこと。当たり前だから誰でもそこを狙う。だから穴といっても意味不明なとんでもない穴馬が食い込んできて卒倒!買えてなくて悔恨! そんな穴らしい穴馬はやって来ない。定石どおりの穴馬だから小穴程度の認識が必要。
定石と言われれば崩したくなるけど、無性に崩したくなるけどそこをぐっとこらえることが的中への近道か。
■人気の目安は5から8人気。
■前走ラジオNIKKEI、前走1600万条件組は勝ち負けしてなくても、頑張り具合で狙える。
■前走1000万組は1着が定石。
■四位、福永が騎乗していたら、より前向きに吟味。理由はこの二人はいい線狙う競馬(権利取りの競馬)が上手だから。四位、福永に限らず騎手がいい線狙いそうな競馬(2着、3着拾い)をしてきそうか、馬はいい線狙う競馬の期待に応えられそうかをチェック。 

 該当候補は
カシノピカチュウ(西田) ラジオNIKKEI 2着
バッドボーイ(菱田) 1600万3着
ヒルノドンカルロ(藤田) 1000万1着
マジェスティハーツ(森一) 1000万1着
ヤマイチパートナー(武幸) 1000万1着
ラストインパクト(北村友) 1000万1着
サトノノブレス(岩田) 1000万2着

予想人気では
ラストインパクト 2人気
サトノノブレス  3人気
マジェスティハーツ 6人気
ヒルノドンカルロ 7人気
バッドボーイ 9人気
カシノピカチュウ10人気
ヤマイチパートナー 12人気

 取りあえず人気を無視して、馬のバックボーンや騎手の重賞経験を重視すると、この3頭か。

ラストインパクト(北村友) 2人気
サトノノブレス(岩田) 3人気
ヒルノドンカルロ(藤田) 7人気

 エピファネイアが負けたときは休み明けの弥生賞で代打ビュイックが騎乗したときにカミノタサハラに差し切られた4着と皐月賞でロゴタイプを捕まえきれずに負けた2着とダービーでキズナに差し切られた2着。

 前をとらえきれずの負け1回と、ディープインパクト産に差された2回。

 ラストインパクトとサトノノブレスはディープインパクト産で、ヒルノドンカルロは逃げて好結果の馬。非出走組ならばこの3頭か。

 よし。エピファネイアの太刀持ち、露払い候補が見えてきたぞ。

ダービー出走組(人気は予想)
テイエムイナズマ 4人気
タマモベストプレイ 5人気
アクションスター 9人気

非出走組
ラストインパクト 2人気
サトノノブレス  3人気
ヒルノドンカルロ 7人気

 非出走組の方が現時点の予想では人気になっている。本当は逆の方がいいけれど、かつて前走1000万の非出走馬のオウケンブルースリは2人気で3着した。人気を理由に消す必要もない。

 しかし、今はあくまでも週の真ん中だ。小穴候補に期待してもいい時間帯だ。

 ヒルノドンカルロの逃げに期待してもいいはず。差し天国といわれる今の阪神・芝コースに反発しても悪くないはず。

 エピファネイアの今回のテーマは折り合いだろう。

 皐月賞・ダービーより菊花賞のペースは遅くなるはず。そこを見越せば、休み明けのここでいかに折り合えるかがテーマになるはず。

 実際、休み明けの弥生賞では折り合いを欠いて4着に敗れた。

 代打ビュイックで引っかかったと言われているけれど、休み明けとスローペースが原因ならば、誰が騎乗しても引っかかったかもしれない。

 エピファネイア福永が折り合いに専念するレースをするならば、前にいる馬は楽になるかもしれない。

 ヒルノドンカルロの藤田がスローペースに落として、逃げて、逃げて、気がつけば、はい、ごっつあんです。うむ、なくはない。

 勝つまではなくとも、2着か3着ならば考えられる。エピファネイアが折り合いに専念すればするほど、存在が横綱であればあるほど考えられる。権利取りが使命の差し系の馬はエピファネイアに引っ付いて競馬をしそうだからだ。

 ヘタしたら逃げ切りまで!? いやいやいやいや。いやいやいやいや。

 もし引っかかったら…ディープ産の差しきりもある? いやいやいやいや。いやいやいやいや。

 ちなみに、

 神戸新聞杯を1番人気で1着した馬が菊花賞に進み1番人気に支持されたら、菊花賞馬に輝く。

 該当馬ディープインパクト・オルフェーヴル・ゴールドシップ

 神戸新聞杯を1番人気で1着した馬が天皇賞秋に進み3番人気以内に支持されたら、確実に馬券になる。

 該当馬シンボリクリスエス3番人気1着、ディープスカイ3番人気3着

 神戸新聞杯を1番人気で1着するって重いね。ヘヴィー級だね。

 逆にいえば、菊花賞で勝つイメージはない!と断定できるならば、ここでも一枚割り引けるってわけだ。自分にはシンボリクリスエス産が菊花賞を勝つイメージはまだない(天皇賞秋が面白いと思っている)。

 いやいやいやいややややややややや…。

 あれ? なんかへんな結びになっちゃったな。

 神戸新聞杯はエピファネイアの土俵入りを観戦し、直線で「よいしょ!」することに決めているのに……。

 いや、大丈夫! たとえGIでは大関だとしても、GIIなら、今回のメンバーなら横綱だ。

神戸新聞杯注目馬
土俵入り エピファネイア
露払い ヒルノドンカルロ
太刀持ち ラストインパクト・サトノノブレス・タマモベストプレイ・テイエムイナズマ

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オールカマー
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 オールカマーは前2走ではがゆい負け方をしてる4から6番人気の馬がよく馬券圏内に飛び込んでくる(前2走ともに3着以下で1秒差以内の負け)。

今年は

サトノアポロ 4着(0.7)→7着(0.4)
ダイワファルコン 3着(0.2)→10着(0.7)

 の2頭がはがゆい感じ。

 この2頭が4から6人気になるようなら積極的に買ってみたい。

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 週末に馬券サバイバーの2点予想をすることになった。

 土俵入りにするか、サトノアポロにするか、ダイワファルコンにするか。

 どれが一番いいかな?

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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