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最強決戦は朝日杯ではなく12.8阪神JF/吉田竜作マル秘週報

  • 2013年11月20日(水) 18時00分


◆新潟2歳S、小倉2歳S組のレベルの高さ

 木枯らしが吹き、山の紅葉も見ごろとなってきたが、競馬の世界ではまだまだ夏の勢いが収まりそうにない。例年なら中央場所でデビューした良血馬が夏の2歳S組を追い抜くころだが、今年に限ってはそうなっていない。東京スポーツ杯2歳Sでは新潟2歳S2着馬イスラボニータがレコードV。先日のファンタジーSではモズハツコイが2着に入って賞金を加算。この馬も新潟2歳Sを経由(8着)しており、ハープスターを頂点とする新潟2歳S組のレベルの高さが改めて浮き彫りとなった。

 そして、もうひとつ忘れてはならないのが小倉2歳S。平坦の小回りのローカル重賞とあって、夏の2歳Sでは最も軽視されがちだが、今年は勝ったホウライアキコがデイリー杯2歳SをレコードV。2着のベルカントはファンタジーSを制し、次走は牡馬相手の朝日杯FSをも視野に入れているという。そして、3着のラブリープラネットはというと、先日の京王杯2歳Sで3着。2着からわずかにハナ差で賞金加算を逃したが、小倉2歳S組の優位性は示したと言えるだろう。

「小倉の時はどうもなかったけど、急に目覚めたかのように前走は行きたがったからね。これからは折り合いが課題になるかなあ。間隔的にも自己条件を使って朝日杯というのは厳しいから。これでいったんお休み。年明けに自己条件からやっていくよ」と五十嵐調教師。目標をマイル路線に切り替えてイチから仕切り直しすることになった。

 そして、小倉2歳S組の頂点に立つホウライアキコは栗東に帰キュウして元気に調教を再開している。「放牧を挟んでふっくらして帰ってきた。その後も順調に乗り込めているよ。気のいい馬だしレースまでにはきっちり仕上がると思う」と南井調教師は「何も言うことがない」と言わんばかり。「今年はほら、強いのもいるから」と普段松田博調教師が座っている席をいちべつしたが、2歳女王の座を譲るつもりは毛頭なさそうだ。

「行くだけの馬ではないし、追ってしっかり伸びるというのがいいよね。こちらはレコードで勝っている馬だし、向こうは追い込んでくるし。面白いレースになりそうだよね」と余裕しゃくしゃくといった口ぶり。ここに札幌2歳S女王レッドリヴェールも加わるとなれば…。今年の2歳の最強馬決定戦は、朝日杯ではなく阪神JFとなるかもしれない。

 渦中のハープスターを抱える松田博キュウ舎だが、「敵は身内にいるかもしれん」というトレーナーの言葉通り、まだまだイキのいい2歳牝馬が出てくる。その一頭が今週の京都でデビューを迎えるビキニスタイル(牝=父ディープインパクト、母フィバリッシュ)だ。POG関連の取材が盛んな春先にこの馬の話を聞いた時は「小さくてな。デビューできるかわからん」と一蹴されたのだが、いざ入キュウすると名前の通り(?)見栄えがいい。同時期に入キュウしたサングレアルより体つきなどは「こちらの方が上」と言う人がいても驚けないくらいだ。「元が小さかっただけに、ムダなものがついていない感じ。そうかといって、牧場で加減していたわけではないからな。ちゃんと鍛えられての体つき。走りもバネを感じるし、これは面白いと思うぞ」と松田博調教師。ハープらを脅かす存在となれるかどうか。少なくともトレーナーの“感触”は、その可能性をにおわせるものであった。

※本日は『トレセン発秘話』も更新されております。下部のバックナンバーからご覧ください。

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