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小牧できっちり・川田でしっかり・母エリモピクシーでちゃっかり両方取れないか?

  • 2014年02月06日(木) 12時00分


今年のきさらぎ賞の主役は誰がどうみてもトーセンスターダムとバンドワゴンだろう。
どちらもノーザンF生産の個人馬主の馬。
このレースにノーザンFの会員系の馬が1頭も登録していないことが、この2頭への強さを間接的に証明しているようにも思える。

2頭の陣営も、ここで賞金の上乗せをして、クラシック出走を盤石のものとしたいはず。この10年できさらぎ賞を勝って、春のG1を勝った馬はいないけれど、2着だったメイショウサムソンは皐月賞・ダービーを勝ったし、3着だったオルフェーヴルは三冠馬になった。おっと、こんな書き方をしてしまうと勝たない方がいいみたいに思えてくるけれど、それはそれ、これはこれで、まったくの別問題。そのことはレース後にじっくりと考えればいいことで、ここでの勝ち負けには関係ない。

トーセンスターダム、バンドワゴンともに前走「2000M」の「特別レース」を「1人気で1着」しており、そのような実績の馬は今回のメンバーには他にいないので、まあふつうに考えたら、この2頭のどちらかが勝つと判定していいのではないか?

ではこの2頭はどちらが強いのか?
そればっかりは自分にはさっぱりわからない。
このレースでは2頭が別格なことはわかるけれど、どっちが強いかとなると正直よくわかんない。

一番の理由は、自分に吟味力がないからだけど、それだけでもないような気もしないでもない………。

たとえば、バンドワゴンは2戦ともに逃げ切って勝ったけれど、ここでも同じように逃げるレースをするのか? このレースまではこれまで同様の1着した競馬に徹して、あくまでも賞金確保を優先するのか? 抑えるつもりでも、結局はスピードの違いで先頭に立ってしまうのか? そこがわからない。

たとえば、トーセンスターダムは新馬では先行競馬で勝って、2戦目は抑えて、差しの競馬をしたけれど、ここでもクラシックを意識した差し競馬をしてくるのか? 前に相当うるさそうなバンドワゴンがいることがわかっていても、それをしてくるのか? 1着にどこまでこだわるのか、そこがわからない。

今年のきさらぎ賞の登録数は14。何頭か回避して12頭立て、それ以下にもなる可能性もある(4頭回避する噂あり)。一般的には頭数が少ないほど、逃げ・先行馬は有利になる。

たとえば、この10年で、きさらぎ賞が10頭立て以下だったことは4回ある。
この4回で逃げた馬は2-2-0-0の成績。
2回2着に負けているけれど、そのときの1着馬の位置は、3番手、2番手。先行だ。

はたして武豊は2番手、3番手の競馬をしてくるのか? 前走差し競馬をして、1着させたけれど、バンドワゴンは京都2歳で逃げて2着したアグネスドリームより力が上という見立てだろう。だから、武豊がトーセンスターダムの力とバンドワゴンの力をどう見立てているか、もしくはこのレースの結果をどこに置いているかで、レースの結末は替わってくると思うわけだ。

11年は12頭立てだったけれど、逃げたリキサンマックスは2着にねばり込んだ。勝った馬は2段階スパートで途中から先行して、差し切ったトーセンラー。Mデムーロ得意の戦法が上手くはまった競馬だった。そのときの3着はのちの三冠馬オルフェーヴル。

11年きさらぎ賞(12頭立て)
1着 トーセンラー 10-5-4
2着 リキサンマックス 1-1-1
3着 オルフェーヴル 8-9-7

たしかオルフェーヴルはこの時期、抑える競馬を池添騎手に仕込まれていた。のちの三冠馬でも、その先の目標次第では届かないことがあるわけだ。
ゆえにワカンナイ。
武豊騎手のことだから、クラシックに勝つための位置を取りながらも、ギリギリ勝てる競馬をするようにも思える。しかしバンドワゴンの和田騎手も結局、ここ2戦同様の競馬をして、最速で上がるような競馬をして来たら……。
ふつうに人気2頭でのワンツーは例年以上にあるかもしれない(1,2人気のワンツーは過去10年で2回)。

こういうときはどちらが強いかではなく、割って入る可能性のある第3の馬を探すのが賢明のはず。実際、きさらぎ賞では毎年、ちゃっかり2着、ちゃっかり3着するような馬を探すようにしている。

たとえば去年、逃げて2着した5番人気のマズルファイヤーや番手で進んで1着した6番人気のタマモベストプレイにはちゃっかり感があったように思える。

1着トーセンラーと3着オルフェーヴルに割って入った11年のリキサンマックスにもちゃっかり感があった。前記したようにこの馬も逃げだった。

だけど、逃げばかりでもない。1人気リーチザクラウンが逃げ切った09年に3着したエンブリオは追い込みだった。10頭立てで4角9番手からちゃっかり3着した(ように思えた)。

今年もそういうちゃっかり2着、ちゃっかり3着しそうな馬はいないか?
目安は、前走を1番人気で1着した馬と思っている。

トーセンスターダムとバンドワゴンは前走・2000Mの特別レースを1番人気で1着した馬だから信頼性は高いと書いた。でも、きさらぎ賞では前走が未勝利でも1番人気で1着していたら同じように注目に値する気がしている。っていうか前走が新馬戦1人気1着馬よりぜんぜん信頼できる。

特に最近、その傾向は強く出ている。
直近4年で、馬券圏内に入った前走未勝利馬は5頭いるけれど、その内4頭は前走1番人気1着だった。ちゃっかり例としてあげたマズルファイヤーもリキサンマックスも前走未勝利の1人気1着馬だった。

ちなみに過去10年で、前走が新馬勝ちだった馬で馬券圏内に入った馬は1頭だけ(ハーツクライの3着)だけど、未勝利は6頭もいる(1人気1着馬は5頭)。

前走1人気で1着して、きさらぎ賞に出走してくる馬はいっぱいいそうに思えるけれど、これがまた思いのほか少ない。
前走・新馬戦1人気1着と前走ダート1人気1着はぜんぜんダメだから、そういう馬を除くと、過去10年で該当する前走1人気1着馬は13頭しかいない。

成績は3-2-3-5
勝率23% 連対率38% 複勝率61%

うむ、なかなかのもんだ。
特に直近4年はその傾向が顕著だから、今年もそこからちゃっかりホースを探してもいいはず。

トーセンスターダム・バンドワゴン以外で今年該当する馬は3頭。

エイシンエルヴィン 未勝利1人気1着
サトノルパン 未勝利1人気1着
シードオブハピネス 未勝利1人気1着

前走未勝利1人気1着馬は、勢いでちゃっかり好走する傾向が強いからレース間隔は空いてないほうがいい(だいたい1か月以内)。エイシンエルヴィンは4か月ぶりでやや不安。
シードオブハピネスはエルフィンS出走濃厚。

となると、残るのはサトノルパン1頭のみ。
父ディープインパクトで、兄弟にリディルやクラレントのいるサトノルパン1頭のみ。
はたして、人気は………おっととっとー、予想3人気じゃないか。
騎手はちゃっかりが似合いそうだけど、3人気はちゃっかりとはいいにくいぞ!

(もちろん今週の太論も熟読済み。今回も自信と少々の不安を率直に語っていて、ナイスとしかいいようがなかった。距離について少々揺らぎながらも、取りこぼせないと揺るぎなく語っていた。取りこぼしとは勝つ前提で語られる表現。うむ、ナイスとしか言いようがない。あ〜小牧騎手のG1勝利インタビューに早く出会いたい!)

まあちゃっかりをテーマにしてしまうと3人気は押し出された人気とも取れ、買いにくいけれど、ディープインパクト産だと思えば買いにくくない。
おそらく出走するディープインパクト産は2頭。
トーセンスターダムとサトノルパンのみ。
サトノルパンは人気のない方のディープ産とも取れ、悪くない。

思えば、小牧騎手は2年前に1番人気のディープインパクト産ワールドエースできっちり1着させている。
きっちり経験あり。ちゃっかりはむしろ失礼だった。

今年のディープ産重賞出走レースでの連続馬券圏内は先週のシルクロードSでストップした。
一応ディープインパクト産の呪縛は解除された気分だけど、きさらぎ賞はディープインパクト産の特級レースだから、ここがまた「はじまり」になっても不思議ではない。

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きさらぎ賞注目馬 バンドワゴンとトーセンスターダムは別格として、
きっちり系で期待・サトノルパン(母エリモピクシー)
ちゃっかり系で期待・エイシンエルヴィン・4ヶ月明けとはいえ、前走1人気1着だし、人気もなさそうだし。
ちゃっかり系で期待・バルジューの騎乗するルファルシオン………………
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今週は外国人騎手が東京新聞杯に大集合!
エキストラエンド Cデムーロ
コディーノ リスポリ
プリムラブルガリス ベリー
レッドスパーダ ブノワ

去年もそうだった。外国人騎手はきさらぎ賞には騎乗せずに東京新聞杯に騎乗した。
しかし結果はビュイック(マウントシャスタ)3人気9着、マクドノー(リアルインパクト)6人気11着、ブノワ(キングストリート)14人気13着。
馬券圏内には1頭も入れず。

今年は
エキストラエンド 予想4人気 Cデムーロ
コディーノ 予想5人気 リスポリ
プリムラブルガリス 予想16人気 ベリー
レッドスパーダ 予想9人気  ブノワ

去年と同じように外国人騎手騎乗馬が圏外に敗れてくれるとひじょうに助かる。
今年は去年に比べて、馬も外国人騎手もやる気満々に思えるので、さすがに全員圏外はないようにも思えるけれど、外国人騎手だから無条件にアゲなくていいレースだとしたら、やっぱり助かる。

過去10年を見ても、いやそれ以上を見ても外国人騎手は勝ってない。
外国人騎手が存在しやすいシーズンの過去10年には、8年前〜10年前にペリエ、5〜7年前にルメールで1着という表記を見ることが多いけれど、二人とも勝てていない。
ペリエはスティンガーで3着、インセンティブガイで3着(0-0-2-5)。
ルメールはイースターで3着、トライアンフマーチで2着(0-1-1-0)。

リスポリも3年前にゴールスキーで3着しているから、外国人騎手が来ないレースとは言えない。
ただ、外国人騎手だからアゲアゲ! としなくてもいいレースとは言えそう。

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東京新聞杯注目馬
クラレント(母エリモピクシー)・川田がどんだけ追うか、ほんとどんだけしっかり追うか興味津々だ。
サトノギャラント・出遅れなかったら、いや出遅れても通用する馬なのか興味津々だ。リスポリ&ブノワではなく北村宏がちゃっかり勝たないか興味津々だ。
外国人騎手の馬は内枠に入ったら拾っておきたい。
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………………つまり何が言いたいのかというと、東京新聞杯で外国人騎手が全員圏外に敗れて、ただひとり京都で騎乗するバルジューが馬券圏内に入ったら、それこそちゃっかりが成立するといいたいわけだ。

きさらぎ賞は、ペリエが2勝(ロイヤルタッチ・レインボーペガサス)、Mデムーロが2勝(ネオヴァンドーム・トーセンラー)している外国人騎手勝利レースだ。さすがにルファルシオンで、トーセンスターダム・バンドワゴンに勝てるとは思えないけれど、2着、いや3着ならば展開次第、馬場次第では十分あり得るのではないか? そういう裏の道みたいなドラマをちょっとだけ期待している。

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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