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8月のディープインパクト

  • 2014年08月07日(木) 12時00分


にしても今年の夏も4歳馬の芝重賞の出走が少ない。
去年も少ないと書いたけれど、今年は去年以上に少ない。
どこ行った〜4歳馬〜〜。

去年は少ないと嘆きつつも、芝重賞ではその少ない4歳馬が頑張っていたから、馬券的には役立った。
しかし今年は違う。少ない上に少数精鋭感も弱い。

去年はこの時期(小倉記念前)までで、
4歳夏の芝重賞の成績は
3-2-2-6
7頭/13頭が馬券圏内

3着以内率.538
連対率.384

1〜3人気だと3-1-1-2
3人気以下だと0-1-1-4

一方今年は、現状(上記と同時期)で、
0-0-2-6
出走そのものが8頭と少なく、馬券圏内率も下がっている。

CBC賞 1頭 ワキノブレイブ 8人気6着
七夕賞 1頭 ラブリーデイ 2人気6着
函館記念 出走馬なし
中京記念 2頭 マジェスティハーツ 5人気3着 クロフネサプライズ 8人気14着
アイビスSD 出走馬なし
クイーンS 4頭 スマートレイアー1人気3着 ディアデラマドレ3人気5着 マコトブリジャール8人気6着 オツウ7人気11着

3着以内率.250
連対率.000

だからついつい嘆きたくなる。
どこ行った〜〜〜〜4歳〜〜〜〜〜〜………と。

ちなみにダート重賞では4歳が去年より頑張っている。
2レースで6頭出走し、1-1-1-3。
プロキオンS 2頭 ベストウォーリア 1人気1着 サマリーズ11人気13着
エルムS 4頭 クリノスターオー 5人気2着 インカンテーション10人気3着 ジュベルムーサ1人気6着 ソロル 4人気7着

去年はエルムSがまだ8月下旬に行われていたから、この時期までの対象重賞はプロキオンSのみだった。だから去年の数値はあくまでも参考にすぎないけれど、0-0-0-2だった。
一般的にダート馬は芝馬よりも完成が1年遅れると言われている。芝が4歳ならダートは5歳、芝が5歳ならダートは6歳。そんなイメージだ。
またダート路線の方が高齢馬が活躍しがちで、4歳では重賞そのものに出走しにくかったりもする。だからこの時期のダート重賞での4歳馬の頑張りには意味があるように思える。
とはいえ今年の夏はもう古馬のダート重賞がない。だから本当に参考文献にすぎない。これをどう秋に活かすかだろう。

とにかく、今年の夏の芝重賞は、今のところ去年以上に4歳の出走が少なく、馬券的な質も落ちている。
なんて思っていたら、今週の小倉記念には4歳がいた。
しかも2頭も。
しかも人気になりそう。
しかもどちらもディープインパクト産。
しかも同じハンデ57キロ。

ラストインパクト
サトノノブレス

1、2人気、少なくとも3人気以内に2頭ともに入りそう。
はたして質も伴っている2頭なのか?

トップハンデは57.5のメイショウナルトで、
ラストインパクトとサトノノブレスは57キロでそれに次ぐハンデ。
少なくともハンデキャッパーは質を評価しているように思える。

では、父ディープインパクトはどうなのか?

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8月のディープインパクト
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8月は、1年で一番ディープインパクト産の芝の重賞出走の少ない月。

デビューして4年経つけど、8月の芝の重賞出走は先週までで13頭。
一番多い月は3月の91頭、2番目が5月の73頭だから、13頭の少なさがわかる。ちなみに2番目に少ないのは7月の19頭。要は夏の重賞にディープインパクト産はあまり出走してないってことだ。

しかし、8月のディープインパクト産の成績は悪くない。っていうかむしろ買いだ。1頭たりとも無視できない。

1着-2着-3着-4着-5着以下=3-1-3-4-2

13頭出走して、5着以下に敗れたのが2頭しかいない。
1頭は札幌記念で9着だったマルセリーナ、もう1頭は先週のアイビスSDで11着だったバーバラ。
それ以外の11頭はすべて4着以内。馬券的に無視できないのが明白だ。

勝率 .231
連対率.308
複勝率.538

勝率.231、連対率.308は1月の.243、.378に次ぐ2番目の成績、複勝率.538はダントツの1位(2位は1月の.459)。

ディープインパクト産は厩舎にとっても期待が大きいはずだから、夏競馬への出走が少ないのはわかる。しかしそれでも出走させるということは、勝ち負けに持っていけるという判断あってのことだろう。それゆえの好成績ではないか。

8月のディープインパクト産は少数精鋭。うむ、ひじょうにわかりやすい。

しかし、そのわかりやすさは馬券を買う側にも十分伝わっている。

単勝回収値 81円 複勝回収値102円

単回収値は月別で6番目、複回収値は5番目の成績で、悪くはないけれど、勝率・複勝率の良績を考慮するとどうしても低いように思えてしまう。
(ディープインパクト産の芝重賞全体での単回収値は70円、複回収値は89円だから8月が優秀なのは間違いない)

つまりわかりやすく人気になってしまうということだ。
実際、平均人気3.5は月別のトップ(2番目は1月の3.7)。

そう、8月のディープインパクト産は誰からも、どの角度から見ても、きっとわかりやすいのだ。

てなことを考慮して、もう一回小倉記念に出走するディープインパクト産を拝見してみる。

ラストインパクト 予想1人気
サトノノブレス  予想3人気
ダコール     予想4人気
マーティンボロ  予想5人気
ニューダイナスティ予想6人気
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ボレアス     予想12人気

ダートでしか勝ち鞍のないボレアスを除くと、
5頭で、予想1・3・4・5・6人気!!
わー!
わかりやすいにもほどがある!!!

前記したように8月のディープインパクトは
3-1-3-4-2

上記の5頭で1着-2着-3着-4着-5着以下、そのすべてにはまりそうだ。

とはいえ、こうも人気だと反発もしたくなる。
小倉記念のディープインパクトは0-1-0-2-0。

ダノンバラード 2人気4着
トーセンラー  1人気2着
ダコール    4人気4着

馬券的に一番パンチドランクな4着が2回もある。

人気のラストインパクト、サトノノブレスあたりが4着に負けてくれると、
たとえディープインパクト産がワンツーしたとしても馬券的にはまだお楽しみがある。

とはいえ、4歳2頭のラストインパクトとサトノノブレスの取りこぼしを無理に期待することが正しいこととも思えない。
だから考えた。この2頭の取りこぼしを期待するのではなく、小倉記念で激走しやすい穴馬を探せば良いのではないかと。
自分には秘策もある。
一昨年も、去年もここで取り上げた小倉記念とっておきの秘策が!!

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前走5月馬の突っ張り
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小倉記念で穴を取る一番カンタンな方法は前走が5月だった馬を買うこと。
去年はこれを拠り所にして、唯一の5月出走馬だったラブリーデイで突っ張って、大成功した。
(一昨年も拠り所にしたけれど、該当馬が2頭いて、6人気のタムロスカイを抽出したら、9人気のナリタクリスタルに走られてズッコケた)

以下は穴をあけた前走5月馬の面々。

03年 ロサード 4人気1着 前走5月(新潟大賞典)
06年 ヴィータローザ 7人気2着 前走5月(新潟大賞典)
09年 ダンスアジョイ 16人気1着 前走5月(目黒記念)
10年 ニホンピロレガーロ 9人気1着 前走5月(新潟大賞典)
11年 キタサンアミーゴ 15人気2着 前走5月(新潟大賞典)
12年 ナリタクリスタル 9人気3着 前走5月(新潟大賞典)
13年 ラブリーデイ 5人気2着 前走5月(ダービー)

現在5年連続で馬券に絡んでいる。しかもおいしそうな人気で。
っていうか、これはもはや定石か。

今年も前走5月馬を抽出して、その馬からディープインパクト産にぶつければ、それで完了だ。
なんて、皮算用してたら、わ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!

前走5月馬はラストインパクトとサトノノブレスとレジェトウショウの3頭だよ。
レジェトウショウは1400までしか馬券圏内に入ったことのない馬で、基本的には1200のスプリンターだ。どうみても北九州記念狙いに思える。
この馬をナイガシロにすると、
ラストインパクトとサトノノブレスしか残らない!!!

むむむ…!!
「前走5月」のファクターもこの2頭を強烈に後押ししている。
万事休すか!?

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1人気が吹っ飛ぶと、2・3人気もいっしょに吹っ飛びやすい?
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「1人気が吹っ飛ぶと、2・3人気もいっしょに吹っ飛びやすい」

過去10年で3回1人気馬は馬券圏外に飛んでいて、その3回すべてで2、3人気も吹っ飛んでいる。10年で3回。薄いっちゃー薄い。弱いっちゃー弱い。けれど、1〜3人気馬がいっしょに飛んでくれるなら、その薄さに期待するのも悪くない。
っていうか、もはやここに期待するしかない。

サトノノブレスもラストインパクトも逃げようと思えば逃げられる馬だ。逃げた実績もある。
しかし今回は七夕賞を逃げ切ったメイショウナルトもいる。
そのメイショウナルトにラストインパクトの川田は七夕賞でまんまと逃げ切られた(川田はラブリーデイに騎乗)。川田的にはラストインパクトで、ナルトに同じように逃げきられるわけにはいかないだろう。

メイショウナルトも逃げるしか戦法のない馬ではない。だからはっきり断定できないけれど、前方隊列はメイショウナルト・ラストインパクト・サトノノブレスの人気3頭にミキノバンジョーが加わって構成されそう。

騎手はみな上手だけど若い。少なくとも「顔」や「背中」で黙らせて、ペースを落ち着かせるタイプではない。
もしかしたら意地の張り合いでオーバーペースになる可能性もある。オーバーペースにならなくても、圧力合戦でペース関係なく馬が堪えてしまう可能性もある。直線が短い競馬場だからこそ、生まれやすい強気の競馬。その強気が強気すぎたら……。

ありえない話ではない。
実際、川田&ラストインパクトは小倉大賞典で向こう正面からスパートして先頭に立って、そのまま押し切る競馬をしている。
川田が先頭に立ったら、田辺も和田もじっとしていられないだろう。

だとしても、ラストインパクト、サトノノブレスの両方が馬券圏外に吹っ飛ぶとは思いにくい。けれどどちらか4着の期待は持っていいようにも思える。

となると、夏のハンデ戦の定番・押し出し・引き出し作戦(同じ馬同士で闘うことが多い夏のハンデ戦は人気のアゲサゲを突っつくのもありだったりする。もちろん人気が引き出される馬が狙い目)が有効か。

8月のディープインパクトが今回のテーマでもある。ならばディープインパクト産の押し出し・引き出しが面白いか。

ラストインパクト 予想1人気
サトノノブレス  予想3人気
ダコール     予想4人気
マーティンボロ  予想5人気
ニューダイナスティ予想6人気

ディープインパクト産で人気のない2頭に注目したい。
現状候補はニューダイナスティ・マーティンボロだけど、ダコールが5人気に下がる可能性もある。

ダコールは小倉2-2-0-1 小倉2000 1-0-0-1
マーティンボロは小倉3-0-0-2 小倉2000 3-0-0-1
ニューダイナスティは小倉初参戦でまだわからない。芝2000 2-2-0-2

ダコールもマーティンボロもニューダイナスティも、小倉芝、小倉芝2000、芝2000のどれかに実績はある。
1着があっても、そこにサプライズはない。

そもそも8月のディープインパクトというタイトルにした以上はディープインパクト産に頑張っていただかないと困る。だからラストインパクト・サトノノブレスにももちろん頑張っていただきたい。でも馬券的には人気の順番がちょっと狂ってくれるとありがたい。それを別のディープインパクト産で補ってもらえると大変ありがたい。そんな所存です。
ちなみに8日発売の競馬王9月号で『8月のデットーリ』という自由研究をやってみた。8月は、それ自体に強烈なバイアスがあるのではないか? 8月のサンシャインを全身に浴びて、8月だけデットーリになる騎手がいるんじゃないか? そう思って調べてみたら、いました。

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小倉記念注目馬
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大敬意・ラストインパクト&サトノノブレス
ただし、1着-4着、2着-4着、3着-4着への期待もいっぱい。

ディープインパクト産で当日人気のない2頭に期待
候補・ダコール・マーティンボロ・ニューダイナスティ

重馬場にでもなったら、タガノグーフォ…大穴なら9〜11人気。これもけっこう使える。タガノグーフォはそのゾーンに入ってきそう。

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レパードS注目馬
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スピナッチ
アスカノロマン
タガノエッヴィーバ

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競馬専門誌・競馬王の元本紙予想担当。今は競馬王その他にて、変な立ち位置や変な隙間を見つけて、競馬の予想のようなものを展開中のニギニギ系。 著書はなし。最新刊「グラサン師匠の鉄板競馬 最前線で異彩を放つ看板予想家の鉄板録」に再び間借りして、4年ぶりに全重賞・根多の大百科的なものを執筆。

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