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“崖っぷち”未勝利馬の戦い エクストレミティーの勝負駆け/トレセン発秘話

  • 2014年09月05日(金) 18時00分


◆“崖っぷち未勝利馬”を勝ち上がらせる松若J

「いや〜、先週のハイプレッシャーはうまく乗ってくれたよ。こっちからは何も指示を出していなかったけど、思った通りの競馬をしてくれたからね」


 橋口調教師が振り返ったのは30日の小倉3歳未勝利戦(芝2600メートル)。これまで何度も上位をにぎわせながら勝ち切れずにいたハイプレッシャーを落ち着いた騎乗で勝利に導いた松若を絶賛した。今週いっぱいで3歳未勝利戦は終了(来週からは出走条件が付く、いわゆるスーパー未勝利戦となる)という崖っぷちの状況だっただけに、うれしさもひとしおだったのだろう。

「あそこで権利を取れなければ、もう使えるレースがなくなっていたわけだからね。あの1勝は大きかった」

 ハイプレッシャーを含め先週は3頭もの“崖っぷち未勝利馬”を勝ち上がらせている松若。この時期の3歳未勝利戦はいつもと違う緊張感があり、なかには勝った時に、特別レースを勝ったぐらいの喜びを見せるオーナーもいるとか。そんな土壇場で結果を残した松若には、今週も各厩舎から“未勝利勝ち上がり請負人”として有力馬の依頼が多数舞い込んでいる。

 生き残りをかけたサバイバルマッチ最終戦。今週は各厩舎とも、できるだけ弱いところ=勝てそうな番組を探して想定とにらめっこしていた。オーナー、厩舎、騎手…それぞれの思いを乗せ、いつも以上に白熱のレースが展開される。

 そんななか、新たな馬具装着で最後の賭けに出るのが梅田智厩舎のエクストレミティー。

「真面目に走らない面があってこれまで何度かブリンカーを着けようかという話は出ていたんですけど、ずっと上位に来ていたからそれもできなくて。でも今回は最後だし、ブリンカーを着けてみます。乗った感じでは集中していたし、いいほうに出そう」と西原助手。

 今年すでに10頭が勝ち上がっている厩舎の3歳世代にあって、もともと能力最上位にランクされていた馬。日曜小倉の3歳未勝利戦(芝2000メートル)で、最後の勝負駆けに成功することを祈る。
 (栗東の坂路野郎・高岡功)

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