Cコースの芝は上々のコンディション。良馬場で1分59秒2の好時計が記録された。
レース全体の流れは60.6−58.6秒。はっきりスローだったが、それだけに3馬身半も抜け出したアサカディフィートのシャープな末脚が光った。もともとが先行型で1800mに1分46秒1、2000mに1分58秒5の時計を持っているが、このところスタートが悪く差しに転じた形。というより行けないことが多くなったため、結果として脚質に幅を増す自在型になっていた。そこに中舘騎手。いつもスタートの良くない馬が今回は互角。すんなり中団につけられ、またそこの馬群はバラけていたため、きわめてスムーズに追走できた。中舘騎手は01年、カリスマサンオペラで差し切り勝ち(この時は3度目の騎乗)したことがあるが、今回はテン乗り。スタートのうまさは定評があるが、夏のローカル遠征などで関西の陣営もみんな知っている。そこでアサカディフィート騎乗となったのだろう。
スタートは大切、実況放送では「スタートの一番良かった馬は、たとえ一度下がっても決して目を離すな」といわれるそうだが、中舘騎手の(今回は差す形だったが)、隠れた技術が発揮されたレースだった。
2着の4歳ワールドスケールは、決して完調ともいえずまだモタモタしていたが、しだいに秘める資質が前面に出てきた。今期の大躍進必至だろう。まだ10戦にも満たないキャリアだから楽しみは大きい。2000m前後の平均ペースがベストだ。
ダンツジャッジ3着は重いハンデもあったが、ゴール前の脚いろをみると、ここは1ハロン長い感じだった。期待したサンライズシャークは5着まで。うまく馬群をさばいて直線は外。上がり33.8秒を記録したが、レースの流れが予想以上にスローだった。
失速したが、道中一度は折り合ったブルーイレヴンは、このあと一変がありそうだ。