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中山金杯

  • 2004年01月06日(火) 12時48分
 Cコースの芝は上々のコンディション。良馬場で1分59秒2の好時計が記録された。

 レース全体の流れは60.6−58.6秒。はっきりスローだったが、それだけに3馬身半も抜け出したアサカディフィートのシャープな末脚が光った。もともとが先行型で1800mに1分46秒1、2000mに1分58秒5の時計を持っているが、このところスタートが悪く差しに転じた形。というより行けないことが多くなったため、結果として脚質に幅を増す自在型になっていた。そこに中舘騎手。いつもスタートの良くない馬が今回は互角。すんなり中団につけられ、またそこの馬群はバラけていたため、きわめてスムーズに追走できた。中舘騎手は01年、カリスマサンオペラで差し切り勝ち(この時は3度目の騎乗)したことがあるが、今回はテン乗り。スタートのうまさは定評があるが、夏のローカル遠征などで関西の陣営もみんな知っている。そこでアサカディフィート騎乗となったのだろう。

 スタートは大切、実況放送では「スタートの一番良かった馬は、たとえ一度下がっても決して目を離すな」といわれるそうだが、中舘騎手の(今回は差す形だったが)、隠れた技術が発揮されたレースだった。

 2着の4歳ワールドスケールは、決して完調ともいえずまだモタモタしていたが、しだいに秘める資質が前面に出てきた。今期の大躍進必至だろう。まだ10戦にも満たないキャリアだから楽しみは大きい。2000m前後の平均ペースがベストだ。

 ダンツジャッジ3着は重いハンデもあったが、ゴール前の脚いろをみると、ここは1ハロン長い感じだった。期待したサンライズシャークは5着まで。うまく馬群をさばいて直線は外。上がり33.8秒を記録したが、レースの流れが予想以上にスローだった。

 失速したが、道中一度は折り合ったブルーイレヴンは、このあと一変がありそうだ。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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