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フェブラリーS

  • 2004年02月23日(月) 12時33分
 アドマイヤドンは落ち着いて、いつもより大きく見せて454キロ。本当はもうひと回り迫力を増した馬体になって欲しいが、この一族はもともと大きく出ることはなく、母のベガも430キロ台。だからスピードも、自在の器用な脚もあるのだろう。

 スタート直後に挟まれて後方2番手。スローで一団になったため、途中で外からまくり気味に進出したが、これが好判断で他の有力馬のように馬群につまりスムーズさを欠くことがなかった。抜け出すと気を抜く不安もあるから、あと300mぐらいの地点まで追い出しを待つ余裕もあった。期待通りの完勝。着差以上に楽だったとみていいだろう。平凡な勝ち時計はこのペースだから仕方がない。

 ただ、ドバイを展望するとき、もっとあふれる迫力が欲しかった気もする。スマートに抜け出したが、ねじ伏せた完勝でもない。

 これでダート1700m以下は1、1、1、1着。一方1800m以上は[2-1-1-1]。マイラータイプの特徴が改めてはっきりした。

 ドバイへの輸送で、距離2000m。どんな評価を受けての出走となるのだろう。好走して欲しいが、思われるほど有力馬ではない面もある。

 2着サイレントディールもドバイ遠征を予定する注目馬。私は武蔵野Sをあまり評価していなかっただけに、今回、もまれる不利を克服しての2着は立派。考えていた以上のパワーがあった。ペリエ騎手、この週は1〜3番人気の馬に15回も乗って[1-2-2-10]。絶不調と思え、このサイレントディールもインでもまれ放題だったが、最後は底力で伸びてきた。ドバイでは、シーマクラシックの2400mよりは相手は強くてもワールドC向きだろう。

 スターリングローズ、ミツアキタービンの好走は立派。スローに恵まれて・・・は確かだが、G1は強気に積極的に挑戦すべき姿勢を示した。2番人気のユートピアは大事に下げたが、未勝利戦以下のスローペース。もっと強気に行くべきだったろう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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