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第18回エーデルワイス賞

  • 2015年10月21日(水) 18時00分
タイニーダンサー

第18回エーデルワイス賞を制したタイニーダンサー


1〜3着馬すべてグランド牧場の生産馬という、同牧場にとっては「完全制覇」の結果となった

 10月15日、門別競馬場で「第18回エーデルワイス賞」(1200m)が行なわれた。このレースには中央所属馬4頭を含む2歳牝馬15頭が出走し、1番人気は中央のチェストケリリーが2.7倍の支持を集めたが、人気は割れ加減で、2番人気のタイニーダンサーが3.0倍、3番人気のモダンウーマンが5.9倍と続いた。

 この時期の道営2歳馬は、早くからデビューした経験豊富な馬が揃っており、中央所属馬を迎えても、互角の勝負が期待できる。地元コースの優位性もあり、また今回は抜けた存在がいないこともあって、道営馬にも多くの支持が集まり、予想が難しくなった。

パドック風景

エーデルワイス賞のパドック風景



 優勝したのはすでに各メディアで報じられている通り、地元道営所属馬のタイニーダンサーである。先行するモダンウーマンを直線で捉えると、一気に交わし、2馬身差でゴールイン。前走のフローラルカップ(9月22日)に続き、重賞二連勝となった。これで通算成績は7戦4勝、2着1回、3着1回、獲得賞金は中央分(函館2歳ステークス4着の実績がある)を含め3227.5万円とした。

 タイニーダンサーは父サウスヴィグラス、母キハク、母の父アサティス。(有)グランド牧場の生産・所有馬で、いかにもダート短距離に適性の高い血統である。桑村真明騎手が騎乗、角川秀樹厩舎の管理馬。

タイニーダンサー

いかにもダート短距離に適性の高い血統であるタイニーダンサー



 2着のモダンウーマン(阿部龍騎手)も、同じくグランド牧場生産・所有馬で、角川厩舎所属。グランド牧場と角川秀樹調教師は、ともに嬉しいワンツーとなったが、それに加えて、3着に入ったディーズプラネット(中央所属馬、藤原辰雄厩舎)もまたグランド牧場の生産馬という、同牧場にとっては「完全制覇」の結果となった。

タイニーダンサーの関係者

表彰式でのタイニーダンサー関係者



 そもそも、エーデルワイス賞は、過去17回の歴史の中でも、地方馬の健闘している重賞であった。今回、18回目で道営馬が優勝したことにより、中央と地方それぞれの所属別優勝回数は9対9のイーブンとなった。また角川秀樹調教師はこのレースにめっぽう強く、アンペア(2008年)、オノユウ(2009年)、ハニーパイ(2012年)に続いて4度目の制覇であった。

 また桑村真明騎手も、ハニーパイに続きこれで同レースは2度目の優勝。今年28歳になる実力派で、2013年にはリーディングジョッキー(97勝)に輝いている。

 さて、この時期になると門別の夜は、日が落ちるとともに気温が下がってきて、かなり肌寒くなる。15日は幸い晴れており、昨年よりも200人多い926人の入場者が競馬場に詰めかけた。この日の売り上げは3億2854万円。これも前年比で3560万円多く、開催成績としてはまずまずであった。

 ただし、今開催は、雨と強風によって3レース以降が中止に追い込まれた10月8日の不振(発売額がわずか1351万円であった)が祟り、6日間で10億2931万円の売り上げにとどまった。昨年同期の開催6日間では、13億526万円を売り上げているので、悪天候によるやむを得ない事情があったにせよ、やや計算が狂ったことになる。

スタンド風景

エーデルワイス賞当日のスタンド風景



 ホッカイドウ競馬は今週を含めて、毎週火水木の3日間開催で11月12日まで残すところ4週間となった。いよいよ最後の追い込みとなっており、11月5日には交流重賞の北海道2歳優駿、オーラスの11月12日には、ブロッサムカップと大一番の道営記念が行なわれることになっている。好調に推移した昨年からどれくらい売り上げを増やせるかが大きな焦点になる。
エーデルワイス賞口取り

エーデルワイス賞の口取り風景

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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