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北九州記念

  • 2004年07月19日(月) 13時13分
 小回りコースの夏競馬の第1週目。小倉では下級条件でも楽々と1800m1分47秒そこそこの時計が出ていた。高速決着になるのはどの騎手も承知。メイショウバトラーが、前半から34.7-46.2-57.4秒のペースで飛ばすのを、少々ムリにでも、たとえ自分の形を崩す危険はあっても、追走する形をとるしかなかった。

 勝ったダイタクバートラムも、最近の後方をマイペースの追走ではなく、中団の馬群から離れることなく進み、早めのスパート。それだけにスパッと切れたわけではないが、逃げ粘るメイショウバトラー、それを早めに捕まえに出たメイショウカイドウの外に並ぶと、最後は底力で伸びた。

 1分44秒1の日本レコード。ダンスインザダーク産駒は、安田記念のツルマルボーイ、そしてこのダイタクバートラムと、サンデーサイレンスの初期のパターンと違って、激しいレースや厳しい競馬をしたあと、より距離の短い、高速レースで結果を出してみせたから立派だ。

 それも、ツルマルボーイもそうだったが、このダイタクバートラムも、長く日本で育ってきた牝系に、さらに活力を加える形になったからすごい。スタイルパッチのファミリーは、決してハデな名牝系ではなく、渋い活躍馬を送る牝系だが、ダンスインザダーク産駒(自身もスピード型とは考えられていない)がスピード重賞を制したところに大きな価値があるだろう。スタミナ型に拡散する種牡馬は活躍が難しいが、スピードを失わないところにサンデー系の真価がありそうだ。

 牝馬スティルインラブ、オースミコスモは前半からHペース追走の形で、斤量の不利が大きく響いた。人気のユートピア、ダンツジャッジは、ともにスローで自分の得意の形にならなかったとはいえ、伏兵メイショウバトラーが1分44秒2で粘っているだけに案外だった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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