今回の仕上がりは素晴らしくいい
昨年のこのレースを驚異の爆発力で圧勝したのは、マイルの王者モーリス。あのダービー卿CTの勝ちっぷりは、のちの安田記念の快勝を確信させるに十分すぎるほど衝撃的だった。その同じ中山1600mで、同じころ、圧倒的な切れ味を爆発させたのは
サトノアラジン(父ディープインパクト)。こちらはスローのため全体時計はモーリスの記録より大幅に見劣る1分34秒2だったが、サトノアラジンの上がりは超高速の32秒7だった。ほかのコースなら出現することもあるが、ゴール前に急坂のある中山1600mでは、歴史的な記録である。
サトノアラジンはマイルにマトを絞って出走しているわけではない。他のコース、別の距離では、あの爆発力をなかなか再現することはないが、今回はちょうど1年ぶりに中山の1600mに出走する。これが中山コース2度目である。
ビシビシ追って、今回の仕上がりは素晴らしくいい。香港の前回以外はルメール騎手とのコンビを崩さず、通算【2-2-0-1】。完全に手のうちに入れている。スペースを見つけてインに突っ込んだレースもある。1年前の中山マイルの内容が再現されることを期待したい。
強敵になりそうな4歳馬は、きわめて強力。とくにこの時期はグングン成長していると同時に、ふだん以上に必死の仕上げで、確勝態勢に入っている。
キャンベルジュニアは、同厩舎の先輩モーリスに続きたい。というより、ここで結果を出すか、次になんとかしないと、6月からは4歳馬の条件(分け)賞金半額システムにより、2400万円は→1200万円に。1600万条件から出直しになってしまう。安田記念どころの話ではない。同じ4歳
ダッシングブレイズも、もたもたしていると、3600万円→1800万円だから、オープン馬があふれるいま、オープン馬といいつつ、希望する重賞にはまず出走できない苦しい立場に置かれかねない。
伏兵の台頭が珍しくないハンデ戦の、中山マイル。先行できる
サンライズメジャー、インにもぐり込めた時の
エキストラエンドが穴馬か。