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いかにもPOG向きのスピードタイプ、ホープフルスター

  • 2016年04月27日(水) 12時00分
【2歳】
アンティノウス(牡 美浦・国枝栄 父クロフネ、母ミクロコスモス)
 母ミクロコスモスは阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)で3着、秋華賞(GI)で5着と健闘したほか、重賞で再三入着を果たした活躍馬。2代母ユーアンミーはフォワードギャルS(米G3・ダ7f)の勝ち馬なのでスピード面の心配はない。3代母ArchimillionnaireはCiboulette≒Coqueluche 3×1というカナダ血統のユニークな凝縮がある。「クロフネ×ネオユニヴァース」はまだサンプルが少ないものの、新潟2歳S(GIII)で5着となったキャプテンペリーが出ている。母方にサンデーサイレンスとMr.Prospectorを併せ持つので、クロフネ産駒の配合としてはしっかりしており、芝向きのマイラーとなりそうだ。

フュージョンロック(牡 栗東・須貝尚介 父ステイゴールド、母シャピーラ)
 2015年のセレクトセール1歳で落札価格6400万円。4勝を挙げたセウアズール(父ディープインパクト)、2勝を挙げたシュピッツェ(父Azamour)などの半弟で、母シャピーラは独1000ギニー(G2・芝1600m)を、母の父Kornadoはメルクフィンク銀行賞(独G1・芝2400m)を勝っている。母方はほぼヨーロッパ血統で構成されており、父ステイゴールドと相性が良さそうな血が入っている。ステイゴールドはメジロマックイーンやデインヒルなど、欧州テイストな血と相性がよく、牡馬の大物はたいていこのパターンから誕生している。芝の中距離で底力を発揮するタイプとなりそうだ。

ホットセット(牡 美浦・手塚貴久 父マンハッタンカフェ、母デュアルストーリー)
 母の父エンドスウィープは、日本ではアドマイヤムーンをはじめ芝向きの産駒も出したものの、アメリカ時代はダート向きの繁殖牝馬と交配されて誕生したものが多く、サウスヴィグラスのようなダートの鬼がほとんど。母デュアルストーリーもその1頭で、現役時代はダート1200mのスペシャリストだった。本馬の半兄デュアルスウォード(父デュランダル)はダート短距離路線でOPまで出世した。スピードが抜群なので芝でもそこそこ走り、芝直1000mのアイビスサマーダッシュ(GIII)でも5着という成績を残している。本馬の父マンハッタンカフェは芝向きながら、エーシンモアオバーやグレープブランデーといった砂の大物も出している。本馬はダート向きのマイラーとなりそうだ。

ホープフルスター(牡 栗東・中竹和也 父ゼンノロブロイ、母ストラテジー)
 全兄ジャストドゥイングは2歳秋に未勝利戦→芙蓉S(OP)を連勝したあと、3歳春に葵S(OP)を勝った。マイニング≒Miswaki3×3という組み合わせのクロスは「Mr.Prospector×Buckpasser」をという血を重ねるので仕上がりの早さとスピードを強化する。母ストラテジーは小倉2歳S(GIII)5着馬で、フィリーズレビュー(GII)4着のラベの半姉にあたる。2代母クイーンリザーブは小倉3歳S(GIII)3着馬。もともと仕上がり早のスピードを伝える牝系でもある。いかにもPOG向きで、確実性も高そうだ。

レッドラシーマ(牡 栗東・平田修 父クロフネ、母アドマイヤリッチ)
 若葉S(OP)を勝ったレッドソロモン(父メイショウサムソン)、ローズS(GII)7着で現在準OPのレッドオリヴィア(父ジャングルポケット)の半弟。現役時代に準OPまで出世した母アドマイヤリッチは、ダンスインザダーク、ダンスパートナー、ダンスインザムードの三きょうだいと4分の3同血の関係で、天皇賞・春(GI)を勝ったスズカマンボとは8分の7同血。なおかつ、NHKマイルC(GI)を勝ったクラリティスカイ(父クロフネ)の母とも配合構成が似ている。芝向きのマイラーとして堅実に走ってくるだろう。

ロードミュートス(牡 美浦・高柳瑞樹 父ロードアルティマ、母レディミューズ)
 シンメイフジ(父フジキセキ/09年新潟2歳S-GIII、10年関東オークス-JpnII)、ロードイノセント(父シンボリクリスエス/準OP)の半弟。母レディミューズはチューリップ賞(GIII)2着、オークス(GI)4着などの成績があり、2代母シンコウラブリイはマイルCS(GI)、毎日王冠(GII)など6つの重賞を制した。父ロードアルティマは名種牡馬Gone Westの4分の3弟。本馬はSeeking the Gold≒Woodman 2×3という組み合わせのクロスを持っており、いかにも仕上がりが早そうなスピードタイプ。ローカルで早期デビューして手堅く稼ぎそうだ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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