スマートフォン版へ

ゴールドシップの全妹・フラワーシップが武豊騎手でデビュー!

  • 2016年11月21日(月) 18時00分


【栗東】
◆サンライズノヴァ(牡、父ゴールドアリュール、母ブライトサファイヤ、栗東・音無秀孝厩舎)


 おじには同厩舎で管理され、2007年フェブラリーSを制したサンライズバッカスがいる血統。新馬については「やってみないとわからない」というコメントが多い音無秀孝調教師だが、この馬に関してはすでに高い評価をしているが、その理由が坂路での追い切りの動きと時計。

 11月2日の坂路では先々週にデビューして4着だったコペルニクスを追走して大きく先着。その時計が4F52.1秒だったこと、コペルニクスのデビュー結果を見ても、この馬が新馬として、水準を遥かに上回る動きを見せたということだろう。11月16日にはすでに勝ち上がっているアードラーにも先着。この時計も4F51.8秒と速く、とにかく追い切りで見せるパフォーマンスは即勝ちレベル。デビュー戦は11月26日(土)東京ダート1600mを戸崎圭太騎手で予定している。

◆フラワーシップ(牝、父ステイゴールド、母ポイントフラッグ、栗東・須貝尚介厩舎)


 全兄はG1で6勝、全13勝を挙げたゴールドシップ。勝つ時は強くても、負ける時はあっさり。豪快に立ち上がる気性の荒い振る舞いが人気を集めていた。気の強いところは兄に似ているようで「もう少し落ち着きがあっても」というのが須貝尚介調教師。

 追い切りは牝馬でもしっかりと課されているという印象。11月9日の坂路では新馬と併せて、全体時計は4F53.2秒。ラスト1Fは12.5秒と動けている。11月16日はレースで騎乗予定の武豊騎手が跨ってのCWでの併せ馬。クライベイビーとの追い比べでは少し手応えで見劣ったが、遅れることはなく、6F82.5秒と好時計をマークした。牝馬ながら切れるというよりもパワーといった印象を受けるだけに、スムーズにレースの流れに乗ってくれれば、初戦からでも結果を残せそう。デビューは11月27日(日)東京芝1800mを予定している。

◆スマートメニル(牝、父スマートファルコン、母コルサトウショウ、栗東・松永幹夫厩舎)


 現2歳世代が初年度となるスマートファルコン産駒。11月12日時点までで3頭が勝ち上がっているが、すべてダート戦。本馬に関しても「牝馬ですが、しっかりした体つきをしていて、ダートは合いそうです」と松永幹夫調教師。早い時期から11月26日(土)京都ダート1400mのデビューを視野に入れて調整が進められている。

 11月16日の坂路では、11月26日(土)京都芝1600mでデビュー予定のクレオス(A・シュタルケ騎手が騎乗予定)と併せて遅れているが「時計も4F54.4秒と速くありませんが、それなりには動けています」と同師。なお、鞍上はA・アッゼニ騎手が予定されている。

◆リアンヴェリテ(牡、父ゴールドアリュール、母ルミエールヴェリテ、栗東・中竹和也厩舎)


 先週は東京ダート1400mにアスタースウィングを送り込んで、きっちりデビュー勝ちを決めた中竹和也厩舎。母、そして全姉プリュクベルともに同厩舎の管理馬で、勝ち上がることができないまま登録を抹消されているが「血統背景もしっかりしているし、素質は高いはず」と中竹和也調教師の期待は大きい。

 11月16日の坂路は4F55.6秒、1F12.9秒と時計は地味だったが、走りは力強く、単走としてはしっかり動けている。「ゲート試験に合格したのは11月4日。2週間も経っていない状況でこれだけ動ければ十分でしょう」と同師。11月26日(土)東京ダート1600mのデビュー戦が楽しみ。

【美浦】
◆オーロラエンブレム(牝、父ディープインパクト、母ブラックエンブレム、美浦・小島茂之厩舎)

 ウォーエンブレム産駒の母は秋華賞の勝ち馬。半兄に札幌2歳Sを制したブライトエンブレム、この秋にオープン入りを果たしたアストラエンブレム(サウジアラビアロイヤルC3着)がいる。当初は開幕週(11月5日)のデビューを予定していたが、まだ動きに物足りなさがあったため、じっくりと乗り込んだ。

「見た目の雰囲気はブラックエンブレムに似ています。まだ気持ちの面で前向きさに欠けるところがあるけど、ひと追い毎に良くなってきました。乗った感触も悪くないし、あとは実戦に行って動けるかどうかでしょう」と小島茂之調教師。11月27日、東京の芝1800mをC・ルメール騎手で予定している。

◆ナイルストーリー(牡、父Pioneerof the Nile、母Princess Two、美浦・堀宣行厩舎)

 父は米3冠馬のAmerican Pharoahを出しており、日本でも函館2歳Sを制したレヴァンテライオンが活躍している。本馬は昨秋のキーンランドセプテンバーセールに上場され、32万5000ドルで落札された。ゲート試験に合格後も在厩で乗り込まれており、「フレグモーネの症状が出て少し緩ませましたが、その後は順調に乗っています。追い切りの動きもいいし、スピードタイプで初戦向きだと思います」と厩舎サイド。11月27日、東京の芝1800mをR・ムーア騎手で予定している。

 堀宣行厩舎からはバリングラ(牡、父Fastnet Rock、母Sweet Dreams Baby)もスタンバイ。こちらは11月26日、東京の芝1600mをR・ムーア騎手で予定している。

◆ヘヴントゥナイト(牡、父ダイワメジャー、母エアトゥーレ、美浦・戸田博文厩舎)

 ムーランドロンシャン賞を制したスキーパラダイスの孫にあたる。トニービン産駒の母は阪神牝馬Sの勝ち馬。半姉にスプリント重賞2勝のアルティマトゥーレ、半兄に皐月賞馬のキャプテントゥーレや今夏の小倉記念を制したクランモンタナ、いとこにゴールデンチケット(兵庫CS)やロワジャルダン(みやこS)など一族には活躍馬が並ぶ。9月2日に入厩して以来、ゲート試験をクリアするのに時間を要したこともあり、じっくりと乗り込まれてきた。

「血統通りにスピードがありそうなタイプ。いい雰囲気を持っているし、うまく距離をこなしてほしいですね。勿論、期待しています」と戸田博文調教師。11月27日、東京の芝1800mを福永祐一騎手で予定している。

◆ライバーバード(牡、父The Factor、母Broadway Lullaby、美浦・手塚貴久厩舎)

 父は米GIを2勝(パットオブライエンS=AW7F、マリブS=ダート7F)。現2歳世代が初年度産駒となり、アメリカでは早くもGIウイナーが出ている。本馬は今年のバレッツセレクト2歳セールに上場され、46万ドルで落札された。試走では1F9秒8の最速タイムを出しており、現地でも注目を集めた1頭だ。来日後はノーザンファームで育成され、10月に入厩。じっくりと乗り込み、様々なコースで追い切りの本数を重ねてきた。

「外国産馬のわりに筋骨隆々という感じではなく、胴長の体つきをしている。はじめはダートで下ろすことも考えていたけど、軽い走りで芝の方が良さそうなイメージ。本馬場(芝)に入れたときの感触も良かったし、広い東京は合いそうな気がする。まだまだ良くなってくると思うけど、初戦から楽しみ」と手塚貴久調教師。11月26日、東京の芝1600mを戸崎圭太騎手で予定している。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

栗東担当:井内利彰 「競馬予想TV!」に出演中の調教捜査官。調教主体や厩舎取材の予想を提供中。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」など。

美浦担当:竹之内元 大学に通うため、東京競馬場から徒歩3分のアパートに住んだことで転落人生を歩み出した38歳ライター。POGでは中山大障害勝ちのメルシータカオー指名が自慢。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング