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ここまで不発なしの爆発力が決まる可能性は高い/フェブラリーS

  • 2017年02月18日(土) 18時00分


◆取り巻く状況に「死角めじろ押し」でも

 ダートG1向きとはいえない「追い込み一手」の脚質は心配だが、充実著しい5歳カフジテイク(父プリサイスエンド)から入りたい。

 里見オーナーが20数年も経ってようやくG1に手が届き、北島三郎オーナーが約半世紀も我慢してG1馬に恵まれたのが競馬人生。カフジテイクの加藤守さんが、53年のオーナー生活でまだG1馬に出会っていないなど、たいした死角ではないだろう。やっとチャンスのあるカフジテイクに巡り会えたのだから、それは素晴らしく嬉しいことである。

 とはいいながら、湯窪調教師が(騎手時代から通算)40数年もビッグレースとは縁がなく、好漢津村騎手もG1レースはまだ未勝利。種牡馬プリサイスエンドも、競走時も、種牡馬(米→日本)としてもG1レースには無縁であり、カフジテイクの脚質は、スタートが悪くほぼ最後方からの追い込み一手となると、取り巻く状況に「死角めじろ押し」は間違いない。

 だが、東京ダート1400〜1600mは4戦【3-0-1-0】であり、その4戦の上がりは不発なしに「34秒6、34秒4、34秒2、34秒5」であることを重視し、かつ、広がるフォーティナイナー系の種牡馬・父プリサイスエンドは、「サウスヴィグラス、スウェプトオーヴァーボード、アドマイヤムーン…」などと同じエンドスウィープの直仔。多くの産駒とは別に、中に意外な大物が含まれるのが特徴の父系であることに注目すると、届かないなどとはいえない。

 カフジテイクの上がり34秒台の爆発力が決まるには、条件が2つある。ひとつは、重馬場の1分34秒台前半の決着とかの高速レースにならないこと。

 もうひとつは、ハイペースで流れ、縦長の展開にならないこと。ハイペースになってはカフジテイク自身が追走に苦労し、厳しい流れは総合力のマイル戦となり、切れ味の勝負ではなくなってしまう。

 だが、締まった高速ダートにはなりそうもない。

 また、今年のメンバーはハイペースにはなりそうもない組み合わせである。馬群が固まって展開するなら、先頭馬群から離される危険はなくなる。ここまで不発なしの34秒台の爆発力が決まる可能性が高くなる。

 人気上位の馬はみんな捨てがたい候補だが、同タイプ(脚質だけでなく、父トワイニングまで同じ父系)の、ノンコノユメは軽視したくない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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