◆ビッグレース前のひと叩きのレースではない もう良く知られるように、中山の1800mこそベストのスペシャリストの時代ではなくなりつつある。ヴィクトワールピサ、ジャスタウェイ、ドゥラメンテ、
リアルスティールなどの歩んだ「中山記念→ドバイシリーズ」路線の重要なステップレースに変化している。と同時に、今年からG1に昇格した「大阪杯」の最重要な前哨戦にもなり、さらには香港のクイーンエリザベス二世Cを展望する馬にも、日程の合うステップレースでもある。
前哨戦だからといって、ビッグレース前のひと叩きのレースでもない。結果を出さなければ、次の目標に進めない危険もある。長い歴史を持つ伝統の中山記念は、距離体系の変化と、もともと芝のこの距離にはG1レースが組まれていないことも関係し、中距離型にとってはG2の格付け以上に春シーズンの重要な1800mになりつつある。
昨年のこのレースを追い込んでドゥラメンテの首差2着している
アンビシャスから入りたい。G1競走【1-3-0-3】のリアルスティールには実績で少し見劣り、対戦成績も1勝2敗だが、今回はリアルスティールが58キロに対し、1キロ軽い57キロ。リアルスティールが戸崎騎手のテン乗りになるのに対し、アンビシャス=ルメールのコンビは【3-2-0-0】。昨年先着しているこの中山記念なら、互角以上だろう。
リアルスティールも、アンビシャスも、
ネオリアリズムも、出走距離を1600〜2000mに絞って短縮しながら成功しているが、アンビシャスにはまだこれから距離の幅が進展する可能性がある。父ディープインパクトはそれこそさまざまな活躍馬を輩出しているが、アンビシャスの母方は欧州のタフな中距離〜長距離色が濃いファミリー。ここまでの最長出走距離は2200mだが、本物になると2400m級も平気でこなせる可能性がある。
母の父はエルコンドルパサー。4代母にも、3代母にも凱旋門賞馬レインボウクエストが一度ならず配されて、祖母カルニオラがレインボウクエスト産駒なら、3代母カーニバルスピリットは、凱旋門賞馬ソーマレズ(父レインボウクエスト)の半姉にあたるというややこしい図式である。
展開の読みは難しいが、先手を主張して不思議ないのが、内枠のネオリアリズム、
マイネルミラノ。外の
クリールカイザーもすでに8歳の春、いまさら下げても意味がない。思い切って気合を入れ、先手を主張するかもしれない。スローにはならず、1800mらしい平均ペースか。差すアンビシャスに不利はないと思える。
ここ2戦はマイルのネオリアリズム(父ネオユニヴァース)は、1800mになって本来のしぶとさがフルに生きるだろう。馬券は、同馬をアンビシャスの相手筆頭にしたい。