ベテラン7歳馬、少々の渋馬場ならもう苦にしないだろう/七夕賞
◆父の代表産駒を見ても、渋った馬場の方が崩れないくらい
今週は、芝コンディションの判断が非常に難しい。土曜の出発は芝「稍重」。このあと福島に雨予報はほぼないので、小さなスコールがある程度なら、回復は遅くても良馬場にも近い芝状態が望めそうである。渋馬場の巧拙はあまり考えなくてもいいだろう。
主軸をサーブルオールにするか、マイネルフロストにするか迷ったが、渋馬場見込みが嫌われて人気落ちのマイネルフロスト(父ブラックタイド)に妙味がある。中間の気配、動きなど、小差2着した昨年に少しも見劣らない。
その昨年の2着は、今年と同じハンデ57キロ。飛ばすマルターズアポジーをみながらの好位追走から、3コーナーで早くもマルターズを交わす勢いでスパートし4コーナー先頭。完全に勝ったと思えたが、直線先頭の1800m通過は「1分45秒3」。強気にスパートしたからこその快走であると同時に、結果、さすがにちょっときつかったかもしれない。最後の200mで鈍ったため(レースの最終1ハロンは12秒9。この馬は13秒0)、0秒1差の2着に惜敗し、走破タイムは当時自己最高の「1分58秒3」だった。
福島の芝は3戦【1-1-0-1】。自身でスパートできるから、持ち味発揮に理想のコースである。ここまで重〜不良の芝【0-0-0-3】が嫌われる理由だが、稍重まではこなしているように、ベテラン7歳馬、少々の渋馬場ならもう苦にしないだろう。
父ブラックタイドは、キタサンブラックが大活躍するまで競走時〜種牡馬時代を合わせ、なんとなく「賢弟愚兄」のトーンで語られることも珍しくなかったが、全弟ディープインパクトほどシャープではない代わり、渋馬場での能力減はなかった。種牡馬としての代表産駒キタサンブラックもテイエムイナズマも、むしろ渋った馬場の方が崩れないくらいであり、マイネルフロストも滑らなければ稍重程度は死角ではないだろう。
昨年と同じ柴田大知騎手。昨年ほどきつい流れになる組み合わせではないから、強気にスパートしてもらおう。サーブルオールを筆頭に、同じマイネル勢のミラノ、サージュを含め、少し手広く流したい。
プロキオンSは、ダートの時計勝負は先行タイプ断然有利だが、さすがにここは強気に行く馬がそろった。前回は自己最高の上がり34秒台。前々回は自己最高タイムを大幅に短縮して1分09秒9。このプロキオンSは4歳時に1分22秒6で0秒5差だった6歳の伏兵ダノングッド(父イルーシヴクオリティ)から入る。遅咲きだったが、本質はダート巧者の中でもスピード競馬でこその快速系である。