「やってみないとわからない」不発に終わる可能性も
重賞になって5回目、GIになって2回目のホープフルS。この原稿を書いている時点で既に発売が始まっているが、事前の予想とおりサートゥルナーリアが人気になっているようだ。
2戦2勝であることとその良血ぶりから、人気になるのは理解できる。ただ、ホープフルSに合うかはやってみないとわからない。差し・追込馬の強いレースだし、ここ2年を見ると前半のほうが速く上がりがかかっている。サートゥルナーリアはデビュー戦がよくあるスローから実質3ハロンの競馬、萩Sはラスト2ハロンだけが速い競馬。ここが一転して泥仕合のようなレースになると、自身の良さを出せない可能性がある。
人気どころではニシノデイジーのほうが、札幌2歳Sのようなレースを経験しているぶん有利ではないだろうか。東スポ杯では上がり33秒台も使えるところを見せたが、ニシノデイジーはおそらく速さより強さで勝負するタイプ。ここ2年と同じような競馬になってくれたほうがいい。
アドマイヤジャスタは前走が見事なまでのワンペースなラップ。スタミナはありそうな馬なので、なるべく緩むところの少ない、消耗戦のようなレースを望みたいところだ。朝日杯に続いてまたアドマイヤ、という可能性も十分にある。
ブレイキングドーンは血統の字面だけを見ると決め手勝負では分が悪そうな馬。それでいて京都2歳Sで2着できたのは、能力そのものの高さを示唆している。その京都2歳Sでは9頭立て5番手あたりから競馬を進めたが、ホープフルSは初手で中団以降に構えた馬がよく走っているレース。前走の経験を生かしたい。
ヴァンドギャルドは母の父がモティベイターで社台ファーム育成なので「ディープのわりにキレない系」に育ったかと思いきや、2戦連続で33秒台の上がりを披露。そうなると馬のタイプとしては、サートゥルナーリアとセットで好走しそうなタイプということになる。同馬を軸にする人はこの馬をヒモに入れておきたい。2走とも差しの競馬をしてきたことはプラス。
個人的にヒモ穴で狙っているのはミッキーブラック。ブレイキングドーンと同様に、前走は向かないレースでまずまず走ったという認識。今回と同じコースの芙蓉Sで勝っている点も評価したい。前走ではある程度位置を取りにいったが、ここはデビュー戦・2戦目のように初手はじっくり構えてもよいかと思う。