新馬の勝ちっぷり、中間の好気配(ダイナミックな動き)、さらにはスケール(将来性)からして、まず勝ち負け必至とみていたが、正直、ショウナンタキオン(父アグネスタキオン)が、これだけ圧倒的な内容を見せることは期待以上だった。
芝は重の発表どおり、新潟の芝にしては全体に時計の掛かるタフな芝。レース全体の流れはどの馬も力は出せそうな(47.8-47.2秒)のバランス。1、2、3番人気の順で決着したように、ほとんどの馬が持てる力とスケールを発揮しただろう。その中で、大外を回って本気で追ったのは1ハロンぐらい、5馬身差の独走はすごい。上がり3ハロン33.9秒。抜け出してからは楽走に近い形で、まだ伸びていた。
父アグネスタキオンの良さをフルに受け継いだところも素晴らしい(柔らかでありながらダイナミックに全身を使うことができる)が、魅力は牝系にある。
祖母は牡馬相手にセントライト記念を制したメジロハイネ。その半兄がメジロファントム。ショウナンタキオンから数えて4代母はアサマユリ(父ボストニアン)だから、メジロマックイーンと同じファミリーになる。成長力にも大いに期待していいだろう。大事に育てあげて欲しいものだ。
2着のニシノフジムスメは、前走コスモミールがダリア賞を1分22秒5で制した日に、馬なりで未勝利を1分22秒6で勝った馬(初戦は降着で、実は独走)。だから2番人気に支持されたのだが、道中、有利ではないインを通らされたことを考えると、こちらも立派なものだ。コスモミールは3連勝で止まったが、能力はほぼ出していた気がする。
昨年は、この新潟2歳Sの上位馬が、後の2〜3歳重賞で次々と快勝したが、今年はそうはいかないだろう。印象どおり、また記録が示すとおりに、ショウナンタキオンが抜けていて、牝馬として・・・の条件付きでニシノフジムスメまでだろう。