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【札幌記念予想】話題多数の一戦だが、同世代のライバル対決に注目

  • 2022年08月20日(土) 18時00分

厳しいペースが予想の鍵に


「白毛馬の対戦」「逃げ馬対決」など、今年はいつもの年よりはるかに大きな注目を集める。大きなポイントは、3走前の中山記念1800mを前半1000m通過57秒6で飛ばして勝ったパンサラッサが行くレースの流れ。パンサラッサは、前走の宝塚記念2200mでも前半57秒6の猛ペースで飛ばし、早めにタイトルホルダーに並ばれながら残り200mまで粘っていた。

 主導権を握ると簡単にはバテないので、おそらく前半は少し離れて追走のジャックドール、ソダシなどは、3コーナー手前あたりからピッチを上げる公算大。途中から厳しい展開になること必至だ。札幌記念が良〜稍重だった最近10回の平均勝ち時計は「1分59秒94」。高速ではない。今年も土曜日は稍重でスタートした少々タフなコンディションであり、スピード能力だけでなく、スタミナの有無が問われる。

 4歳牝馬ソダシ(父クロフネ)と、同じ4歳牝馬ユーバーレーベン(父ゴールドシップ)は、クビ差で1着2着してレコード決着だった札幌2歳Sを出発点に、これまで5回対戦している。スピードに勝るソダシの4勝1敗。だが、2400mのオークスでは、ユーバーレーベンが父ゴールドシップ譲りのスタミナを生かし、後方からスパートして逆転した。ソダシは距離が長かった印象が残った。

 2頭の牝馬の対決は、ソダシが大きくリードするが、実は5回の対戦すべて「上がり3ハロン」はユーバーレーベンの方が速い点に注目。

 今回は厳しいペースが予測される。その結果、上がりを要する勝負になり、スタミナに勝るユーバーレーベンの逆転がありえる。札幌2歳Sではクビ差負けたが、最後方から向こう正面で強引にまくる戦法。直線は先行のソダシに振り切られそうだったが、最後にもう一回伸びてクビ差だけ。あのスタミナは牝系ファミリー譲りでもある。

 もちろんソダシ本線だが、スローから後半ピッチを上げる逃げ戦法のジャックドール(父モーリス)は、そろそろ2-3番手から向け出すレースもできるだろう。ユーバーレーベンの単・複と、連は差し馬を含めて手広くいきたい。

「北九州記念」は、ともに前回快時計の3歳牝馬テイエムスパーダも、ナムラクレアも3キロ増。それでもまだ軽ハンデなので好勝負可能。好位差しのナムラクレアの方が崩れないと思える。同じ3歳牝馬は3頭だけ。アネゴハダ(変わらず49キロ)は怖い。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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