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【セントウルS予想】異端な馬から発展する一族の系譜

  • 2022年09月10日(土) 18時00分

4歳の秋を迎え完成期へ


 人気の牝馬メイケイエールは鹿毛に出てしまったが、母シロインジャー、祖母ユキチャン、3代母シラユキヒメ。みんな白毛だった。ブチコ→ソダシの母娘。マーブルケーキ。ハヤヤッコの母となったマシュマロ。先週の新潟で独走したハイアムズビーチなど、この牝系は白毛の牝馬が中心となって発展してきた。そんな中で鹿毛のメイケイエールは異端。

 父ミッキーアイル(その父ディープインパクト)はあふれるスピードを生かし、重賞を6勝もしたが、その牝系は牝馬活躍の一族。輸入された祖母アイルドフランス(USA)は重賞2勝。同じく輸入牝馬の3代母ステラマドリッド(USA)はG1を4勝。4代母マイジュリエット(USA)は重賞6勝など36戦24勝の女傑だった。

 この牝系は、ラッキーライラック(大阪杯など重賞6勝)、アエロリット(NHKマイルCなど重賞3勝)、ダイヤモンドビコー(重賞4勝)など、日本でも牝馬に活躍馬を送るファミリーとして知られる。ミッキーアイルは異端に近い男馬。

 すでに重賞5勝のメイケイエールは、カーッとなってすぐに行きたがる非常に難しい馬だった。父ミッキーアイルは、牝馬活躍ファミリーの中で珍しい男馬の活躍馬であり、白毛の牝馬がファミリーの主流であるシラユキヒメ一族にあって、鹿毛に出たメイケイエールも異端だった。それも関係してか、ずっと危うい存在だったが、4歳の秋を迎え完成に近づいている。名馬の歴史は異端を歓迎することで発展、連続してきた。メイケイエールの信頼性は高い。もちろん強敵はソングラインだが、サンライズオネスト、ダディーズビビッド、モントライゼ、ボンボヤージも連穴以上に扱いたい。

 中山の「京成杯AH」は、凡走覚悟でルフトシュトローム(父キンシャサノキセキ)を買う。気性難解消や、体質強化のためでなく、疾病治療の去勢だったとされる。前回の東風Sも急に失速していた。2ケタ着順が続いたが、入念な立て直しで動きは少しも悪くない。無敗の3連勝でニュージーランドTを1分33秒0で勝った期待馬の、いきなりの復活がある。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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