魅力的な馬が多いが課題もあり

　確たるエースがいない最近のスプリント界だが、今回人気になるのは間違いなくメイケイエールだろう。気性の問題を克服したいま、セントウルSの内容からも人気になって当然の立場だ。

　このタイプの馬は安心した頃にいきなりなにか起きるリスクもあるが、それを言っていたら買えるタイミングがなくなる。ある程度控えて競馬ができるようになったことで、展開に対する対応力も増している。

　今回貴重なGI馬がナランフレグ。高松宮記念はすごいところを伸びてきたし馬場も悪かったし、再現性がどの程度あるのかは正直分からないところ。ただGIを勝っているという事実は重いし、同コースのオーシャンSで好走している点は魅力。

　当時は前残りのところに割って入っての2着だった。もちろん展開に左右される面はあるが、そこまで人気が伸びないなら狙ってみる手はある。

　シュネルマイスターもGI馬だが、こちらは1200mへの対応力が問題。別な馬なので比較はできないが、セントウルSのソングラインを考えると、強気に買う気にはなれない。能力の絶対値は高いので無印にもできないが、個人的には押さえに回すつもりでいる。

　ナムラクレアは安定したレースを続けている。年齢や性別を別として斤量の絶対値が軽いことかプラスに働くケースもスプリント戦ではよくある。

　ただそのアドバンテージも函館スプリントSの頃ほどではないし、GIを勝ち切れる地力があるかどうかも未知数。この馬もヒモとして扱いたい。3歳馬のアドバンテージということではウインマーベルも同様の立場にあると思うのだが、こちらはそこまで人気が伸びなさそうな情勢。オッズ重視ならこちらを上に取るのも選択肢だろう。

　タイセイビジョンはそのナムラクレアに北九州記念で先着。相手なりに走れるタイプなので積極的な意味でのヒモ馬として価値がある。ただこの馬も展開には左右されるところ。ナランフレグを積極的に買おうとしている人はセットにする手がある。

　ヴェントヴォーチェは春雷Sの1分6秒8が光る。レースによって結果にムラはあるタイプだが、重賞勝ちの勢いはあるしマークは必要だ。

　穴で注目したいのがジャンダルム。昨年このレースで大敗しているし強気なことは言えないが、もともとレースによって結果のムラが大きい馬。オーシャンS勝ちも2ケタ着順連発のあとだった。今回はだいぶ人気落ちだと思うので、敢えて買ってみたい。