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【スプリンターズS予想】展開うんぬんよりも純粋な時計勝負

  • 2022年10月01日(土) 18時00分

前後半のバランスが取れた好時計が必要


 雨の心配はなく、芝コンディションも上々。各地の1200mでレコードを記録した馬がいる。高速決着必至だ。最後に急坂のある中山のスプリンターズSで1分07秒0のカベを突破した勝ち馬は、現在のコースレコード1分06秒7を持つ2012年のロードカナロアのみ。自身の前後半3Fバランスは「33秒3-33秒4」だった。

 この夏、小倉で日本記録の1分05秒8「31秒8-34秒0」を樹立したテイエムスパーダのように飛ばしても、2003年デュランダルの1分08秒0「34秒9-33秒1」のように追い込む策でもいいが、崩れる危険が少なく1分06秒台後半から1分07秒前後で乗り切れるのは、バランスの取れた中身で1分06秒7を記録したロードカナロアが理想のモデル。今年ならメイケイエールのような好位(中位)抜け出しタイプだ。

 メイケイエールの前走セントウルS(坂のある中京)は自身「33秒3-32秒9」の前後半で、1分06秒2のコースレコード。33秒台前半で行きながら、後半を32秒9でまとめて2馬身半差の素晴らしい内容だった。もちろん難しい気性、スタートもう一歩など死角はあるが、一段と鋭くなったフットワークから状態面の不安はない。

 前後半のバランスを失わずに、ロードカナロアのレコードと0秒1差の1分06秒8「前後半33秒7-33秒1」を春の中山の春雷Sで記録し、同じタートルボウル産駒のタイセイビジョンを3馬身も完封している5歳ヴェントヴォーチェが逆転候補。上がり33秒1の最後の1ハロンは11秒1。それで余力があった。

 ナムラクレアの前回は鞍上も認めるように進路選択に失敗。立て直すように内に突っ込んで1分07秒1「33秒5-33秒6」。まともなら…だった。

 ほかにバランスの取れた前後半33秒台で1分07秒0を突破できそうな馬は、近走の内容からはタイセイビジョンがいるくらい。勝ち馬はメイケイエール、ヴェントヴォーチェ、ナムラクレアの中にいると決め打ちしたい。レベルが高ければ高いほど、展開うんぬんではなく、最後は時計勝負になる。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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