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【エリザベス女王杯予想】全体レベル高い4歳世代

  • 2022年11月12日(土) 18時00分

しかし大駆け候補は3歳の…


 最終的に世代レベルは大きな要素ではないが、今年のエリザベス女王杯はかなり特殊。これまでもっとも好成績を残す4歳馬の出走が、史上初のたった2頭だけ。一方、5歳馬は史上最多の10頭もいる。予備知識になる年齢別の成績を並べてみた。

 このGIが1996年から「3歳以上」になって過去26回、
 ▽3歳馬…【8-8-5-104】 3着以内率.168
 ▽4歳馬…【12-9-14-111】3着以内率.240
 ▽5歳馬…【6-7-6-102】 3着以内率.157
 ▽6歳上…【0-2-1-36】  3着以内率.076

「勝率、連対率、3着以内率」すべてでリードする4歳馬が、今年は2頭「アンドヴァラナウト、ジェラルディーナ」だけ。パターン通り4歳有利とするなら、逆に軸馬は絞れる。だが、それは昨年4歳馬として12頭も出走していた今年の5歳世代の層がまだまだ厚く、かつ全体レベルも高いことを示している可能性がある。

 4歳馬に次いで成績がいいのは3歳馬。今年は世代交代の進みが早く、秋の牝馬戦の狙いは若い3歳馬(5頭出走)を示しているのではないか。

 3歳ピンハイを大駆け候補としたい。大接戦だった桜花賞は他馬と接触しながら盛り返して0秒1差の5着。さらに馬体重減のオークス4着も、直線で馬群を割って最後まで懸命に伸びた。3着ナミュールと同じ上がり2位タイの34秒0だった。

 小柄な牝馬の快走例は少なくないが、420キロの新馬戦から402キロまで馬体の減っていた2400mのオークス善戦はすごい。勝負強さ文句なしだった。

 秋華賞は賞金不足で除外されたが、回った同日の西宮S芝1800m(3勝クラス)を快勝した中身は破格に近い。好時計の出る外回りとはいえ、コースレコードと0秒4差の1分44秒3(上がり33秒0)だった。馬体重は12キロ回復していた。

 直後の秋華賞は内回り2000mで1分58秒6。流れも、内と外回りの違いもあるので比較するのはあまりに乱暴だが、ピンハイの時計にあと200m「14秒3」を加算のタイムであり、少なくともレースの中身は秋華賞の方が上とはいえない。

 小柄なピンハイに雨予報は心配だが、2021年大阪杯のレイパパレ(当時422キロ)ではないが、小型馬の方が渋った馬場の影響は少ないことも珍しくない。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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