【阪神JF予想】1ハロン9秒台を誇る切れ味で他馬を飲み込むか
ハイレベルな新馬戦と重賞を経験
1991年に翌春の桜花賞馬ニシノフラワーが勝って、牝馬限定GIとして再スタートしたこの阪神JF(最初は阪神3歳牝馬S)は、4カ月後の桜花賞と直結してきた。距離もコースも同じ。負担重量が1キロ軽いだけ。
ここまで31回。13頭の桜花賞馬と、14頭の2着馬、15頭の3着馬がここに出走した期待馬だった。早くも桜花賞の展望になる。
このGIに至るまでの注目レースは、最近8年間に4頭の勝ち馬(2020年ソダシなど)を含み、計10頭もが馬券圏内に好走している東京1600mの「アルテミスS」組。今年もレベルは高くレース史上2位タイの1分33秒8。レース上がり「11秒4-11秒0-11秒4」=33秒8だった。
追い込んで勝ったラヴェル(父キタサンブラック)の上がりは33秒0。包まれながら最後に猛然と伸びてクビ差2着リバティアイランドのそれは33秒3。2頭ともに自身は最後から2ハロン目に10秒台の高速ラップを刻んでいる。東京のマイル戦でレース後半にハロン10秒を記録するのは素質の目安のひとつ。例年と互角以上のレベルだった。
ハロン10秒台の高速ラップで改めて注目したいのは、直線で追い出しが遅れてクビ差2着のリバティアイランド。その新馬戦だろう。
新潟のマイル戦特有の前半1000m通過63秒8の超スローとはいえ、レースの残り3ハロンは「10秒9-10秒2-10秒9」=32秒0だった。これを中団から3馬身も差し切ったリバティアイランドの切れは「31秒4」。
平坦新潟の、スローの直線勝負のタイムなど過信してはいけないが、リバティアイランド自身は明らかに3ハロン連続10秒台のラップを刻んでいる。いや、10秒2の地点では「09秒台」だった。だから31秒4となった。
相手が弱かったわけではない。3馬身差の2着馬は、次走、東京1600mを1分33秒5で快勝。3着馬も次走の1600mを3馬身差で快勝している。
阪神のマイルは速くならないケースが多いので、行くサンティーテソーロ、アルテミスSのラヴェル本線。次いでウンブライル。伏兵はブトンドール、巻き返すアロマデローサ。