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【中山記念予想】ソーヴァリアントの初距離は死角にならず

  • 2023年02月25日(土) 18時00分

血統的にも裏付け有り


 今回が初めての1800m出走になるが、それは大きな死角ではないと考えソーヴァリアント(父オルフェーヴル)の一段の進展に期待したい。

 4分の3同血の兄ソーグリッタリング(父ステイゴールド)は芝1800m【2-4-2-1】。半姉マジックキャッスルも1800mのクイーンS2着があった。

 かつて、中山記念の1800mや、阪急杯の1400mはちょっと異質なスペシャリストの距離と形容されたが、それはクラシック三冠が「1マイル、1マイル半、2マイル」の英国の距離体系を範としたので、9Fや7Fは基本の根幹距離ではないとされたためだった。

 だが、それはかつてのこと。いま主流父系(ノーザンダンサー系、ミスタープロスペクター系、日本のサンデーサイレンス系)も、牝系ファミリーも、北米の競馬がその起点。

 競走に対する考え方も関係するが、アメリカには9ハロンのG1がきわめて多い。現在、日本のJRAでも芝1800mは基準の距離に近く、全国10場のうちマイル戦は6場なのに、1800mは9場にある。ダートも、1700mか1800mの番組は大半の競馬場にあるが、コース形態もあって、基本距離とされる1600mのダート戦は東京にしか存在しない。

 現在、1800m(約9F)は、ダートはもちろん、芝でも特殊なスペシャリストの距離ではなくなっている。芝1800mにはGIがないからトップホースの出走が少ないだけのこと。東京、京都、阪神、新潟の芝1800m戦はもっと高い評価を受けていい。

 東京の毎日王冠1800mでは、2020年にサリオスが初距離で完勝し、2022年にはレコード勝ちだった。2021年のシュネルマイスターも初の1800mだった。中山記念では2019年にチャンピオン牝馬ラッキーライラックが初距離ながらクビ差で2着している。

 ソーヴァリアントの初距離は決して大きな死角ではない。横山武史騎手とのコンビで札幌2000mを圧勝している。サンデーサイレンス系の父方も、母の父シンボリクリスエスの父系も米国血統の同馬は、1800m(約9F)は能力全開の距離に近いかもしれない。前走のチャレンジCでは楽に先頭に立った1800m通過は1分45秒3だった。

 好仕上がりのスタニングローズ、毎日王冠を勝っているシュネルマイスター、まだ底を見せていないヒシイグアスが相手本線。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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