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世界版ペーパー・オーナー・ゲーム POGザワールドが競馬を盛り上げる

  • 2023年04月12日(水) 12時00分

世界の競馬を盛り上げてくる期待の馬とは?


 米国では先週土曜日に、アケダクトでG2ウッドメモリアルS、キーンランドでG1ブルーグラスS、サンタアニタでG1サンタアニタダービーが行われ、今年のG1ケンタッキーダービーへ向けた勢力分布がほぼ固まった。

 一方、今週土曜日に障害の大一番グランドナショナルが組まれている英国では、来週に入るとニューマーケットでクレイヴン開催が行われ、2023年の芝平地シーズンが本格的に始動する。

 この機会をとらえて、今季の欧米の競馬を盛り上げることが見込まれる期待馬を、筆者の目線でセレクトしてご紹介したいと思う。

 モチーフとするのは、筆者が出演しているグリーンチャンネルの「Go Racing!」で開催している、「POGザワールド」だ。

「POGザワールド」とは、端的に言うと世界版のペーパー・オーナー・ゲームである。参加者一人あたりが10頭の現役馬をセレクトし、各馬の2023年の最終レーティングが確定した段階で、10頭のうち数値の低い2頭を足切りし、上位8頭の合計数値で優劣を競うというゲームである。3歳馬には、レーティングに5ポンドのボーナスポイントを加算するというのが、ゲームの隠し味となっている。

 筆者を含めた「Go Racing!」出演者の指名馬10頭は、4月7日(金曜日)の放送で発表させていただいた。筆者の選んだ10頭こそが、2023年の世界競馬を盛り上げてくるであろうと、大きな期待を寄せている馬である。

 筆者がイの一番に挙げたのが、日本調教馬のイクイノックス(牡4、父キタサンブラック)だ。3月25日にメイダンで行われたG1ドバイシーマクラシック(芝2410m)で見せた鮮やかすぎるパフォーマンスは、記憶に新しいところ。今週後半には世界ランキングの今年2度目の発表があるが、ここで首位に立つことが確実なこの馬を、ラインナップから外すことは出来ない。

 2頭目は英国調教の古馬から、アダイヤー(牡5、父フランケル)を選択した。3歳時にG1英ダービー(芝12F6y)、G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(芝11F211y)という2つのメジャータイトルを獲得した同馬。4歳時は春先に患った咳の症状が長引き、始動が9月までずれこんだが、復帰2戦目となったG1チャンピオンS(芝9F212y)で2着に好走。力のあるところを見せた。5歳となった今季の当面の目標は、ロイヤルアスコットのG1プリンスオブウェールズS(芝9F212y)と伝えられているが、爆発力がある本馬の本領発揮に期待したい。

 残る8頭は、3歳世代から抽出した。前述した「ボーナスポイント」をおおいに活用しようという作戦である。

 まずは米国調教馬から、フォルテ(牡3、父ヴァイオレンス)。昨年の米3歳牡馬チャンピオンで、今季もここまでダービープレップを2連勝。5月6日のケンタッキーダービーで1番人気に推されること確実なこの馬も、外せないセレクトだろう。

 米国からもう1頭選んだのが、アラビアンナイト(牡3、父アンクルモー)だ。5.1/2馬身差で快勝した1月28日のG3サウスウェストS(d8.5F)を含めて、ここまで2戦2勝の同馬。

 キャリア2戦目でSloppyという極悪馬場となったサウスウェストSで激走した反動からか、その後は出走態勢が整わず、G1ケンタッキーダービーも回避することになった。だが、極めて高い才能を持つ馬であることは間違いなく、夏以降になると伝えられている復帰以降に、ビッグパフォーマンスを見せてくれることを期待して、指名することにした。

 続いて欧州調教の3歳馬が4頭。

 筆頭格は、愛国産のディープインパクト産駒オーギュストロダン(牡3、父ディープインパクト)だ。2歳時は4戦し、3.1/2馬身差で制したG1フューチュリティトロフィー(芝8F)を含む3勝。G1英ダービーへ向けた前売りで断然の1番人気に推されているこの馬も、外せない1頭だろう。

 オーギュストロダンと同じA・オブライエンが管理するコンティニュアス(牡3、父ハーツクライ)は、日本産のハーツクライ産駒である。2歳時は2戦し、仏国に遠征して制したG3トーマスブリヨン賞(芝1600m)を含めて無敗の2連勝。ヨーロッパのメジャーレースで、ディープインパクト産駒とハーツクライ産駒が鎬を削るという、夢のような空間が実現することを願っている。

 A・オブライエン厩舎からもう1頭セレクトしたのが、アレクサンドロポリス(牡3、父キャメロット)だ。昨年9月にゴルウェイのメイドン(芝8F123y)を制してデビュー勝ちし、その段階で英国ダービーの前売り上位に顔を出した馬である。今季初戦となった、4月2日にレパーズタウンで行われたG3バリーサックスS(芝10F)で、単勝オッズ1.8倍という圧倒的1番人気を裏切り3着に敗退。現段階では評価を下げているが、見限るのはまだ早いと判断した。

 欧州調教3歳馬の4頭めは、ゴドルフィンのインペリアルエンペラー(牡3、父ドゥバウィ)とした。牝馬ながら牡馬の精鋭を撃破してG1マンノウォーS(芝11F)を制したズコヴァの2番仔で、ズコヴァの半弟に20年の欧州年度代表馬ガイヤースがいるという血統背景を持つ同馬。昨年10月1日にニューマーケットのメイドン(芝8F)でデビューし、ここを3.1/2馬身差で制して緒戦勝ちを果し、この1戦だけで2歳シーズンを終えたが、英国ダービーへ向けた前売りでオッズ13〜15倍の2〜3番人気と、高い評価を受けている。

 残る2枠は、日本調教の3歳馬に割り振ることにした。セレクトしたのはフリームファクシ(牡3、父ルーラーシップ)とソールオリエンス(牡3、父キタサンブラック)で、日本の3歳クラシックで頂点に立つ可能性のある馬たちと見込んでのセレクトである。

 POGザワールドは視聴者参加企画で、視聴者の皆様の応募締め切りは、4月23日(日曜日)の午後8時30分だ。グリーンチャンネルのウェブサイト上にある「Go Racing!」のページから、10頭を指名する応募ページへのリンクが貼られており、参加は容易である。成績優秀者には賞品も用意されているので、たくさんの皆様のご参加を、お待ちしています。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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