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先々週の乗り替わりの真相は? 高熱と蕁麻疹で3日間寝込むも「葛根湯はよう効く(笑)」

  • 2023年08月29日(火) 18時01分
太論

▲「病気のため乗り替わり」その真相は?(撮影:桂伸也)


先週は小倉競馬場で元気な姿を見せてくれた小牧騎手ですが、先々週の2鞍は「病気のため」に乗り替わりとなり、当週の『太論』も休載。

ファンのみなさんから、「どうしたの?」「何があったの!?」とたくさんの声が届きました。「あのね…」と真相を語り始めた小牧騎手。はたして、鉄人・小牧騎手に何があったのか?

(取材・文=不破由妃子)

調教のあとはなんともなく、5キロくらい走って帰ったんやけど…


──先々週は、レース当日にジャッドノワール(小牧太騎手→荻野極騎手)とフチサンメルチャン(小牧太騎手→田口貫太騎手)の乗り替わりが発表されました。「病気のため」との発表だったこともあり、この『太論』にもたくさん心配の声が届きまして。

小牧 あのね、コロナに罹ってしまって。

──そうでしたか。もしかしたら…とは思っていましたが。

小牧 先々週、土曜日は騎乗がなかったんやけど、土曜朝のフチサンメルチャンの調教に乗るために、金曜日から小倉駅前のホテルに泊まっててん。調教の段階ではなんともなかったんやけどね。調教のあと、競馬場からホテルまで、5キロくらい走って帰ったくらいやから(笑)。ただ、走っている間にね、ちょっとゾクゾクっときて。さすがに無理し過ぎたかな、風邪でも引いたんかなと思ってたんやけど。

──10年以上、このコラムをやっていますが、小牧さんが風邪を引くこと自体、とても珍しいこと。

小牧 そうやね。夜も食欲がなくてね。とはいえ何も食べないわけにはいかんから、うどんを頼んだんやけど、ほとんど食べられへんかった。寝る頃になると、もうゾクゾクゾクゾクして。何枚も着込んで、布団と毛布まで被って、クーラーも切って寝てるのに、寒くて寒くてひとっつも汗かかんねん。

──その時点で、これはコロナかもしれない…と思いました?

小牧 いや、まったく(笑)。完全に風邪やと思ってた。翌日は3Rに乗る予定やったんやけど、あまりにもしんどいから、医務室で座薬をもらおうと思って早めに競馬場に行ったんですわ。そうしたら、医務室の先生がなかなかこなくて。待っている間、医務室のスタッフさんが「小牧さん、PCR検査受けてみようか」と。「そうやね。やってみようか」ということで検査をしたら、すぐに陽性が出た。

──鼻のなかに綿棒を入れるやつ?

小牧 そうそう! 痛いやつ。初めてやったけど、痛かったぁ(苦笑)。で、すぐに調教師に伝えてもらって、チョロチョロしとったらアカンから、すぐに帰りました。タクシーの運転手さんがいい人でね。あらかじめ「コロナなんだけど…」と伝えたら、「いいですよー」って。ふたりでしっかりマスクをして、窓を全開にして乗せてもらいましたわ。

──座薬をもらいに行ったなんて、よっぽどしんどかったんですね。

小牧 昔、インフルエンザになったことがあるけど、あんなに酷いのはそれ以来やね。苦しかったわ。で、家で寝ていたら、全身に蕁麻疹がバーッと出て。痒くて痒くて寝られへんもんやから、往生したわ。日曜、月曜とクーラーを切っているのに寒くてね。一度だけ座薬を入れて、とにかくたくさん着込んでずっと横になってた。あとは葛根湯を飲んだな。僕、なんでも葛根湯やねん(笑)。よう効くからね。

──どのくらい寝込んでいたんですか?

小牧 火曜日までやね。水曜日には、熱も蕁麻疹も治まった。ただ、金曜日まで外に出たらアカンから、家のなかでちょっと身体を動かしたくらいで、先週はいきなりレースに乗ったようなもんや。土曜日に53キロが入る予定やったから、お酒も飲まんと、食事もあんまり食べんとね。

──土曜日に入る予定だった53キロは、ひまわり賞のキリシマエアヒメ?

小牧 そうそう。結局、熱発で回避になってしまったんやけど。

──数日で回復されて本当によかったです。

小牧 まさかコロナになるとは思ってなかったね。根拠はないけど、僕は罹らんやろうなと思ってた(笑)。みなさんにご心配をお掛けしました。すでに先週、競馬に乗っていたように、もう大丈夫です。

──今週は、いよいよ未勝利馬にとってラストウィークになりますね。

小牧 未勝利馬は、もう厩舎を出て行ってしまったよ。だから今週使うとしたら、キリシマエアヒメか、あとはフチサンメルチャンやね。メルチャン、着順はともかく(16着)、このあいだの芝1200mはいい走りをしてたね。

──ずっと自分が乗っている馬にほかのジョッキーが乗っているのを見るのは新鮮じゃないですか?

小牧 新鮮やね。それで改めて「芝の走りがいいなぁ」と思ったりして。ただ、いい感じで行かせてしまうと距離が持たん。なんせベストは800mの馬やから。今週の日曜日も芝1200mやけど、芝の走りはいいし、疲れさえ残っていなければ、ひと脚あるんちゃうかなと思ってる。ジックリ乗って、一発狙いにいきますわ。

(文中敬称略)
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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。その後もローズキングダムとのコンビで朝日杯FSを制するなど、今や大舞台には欠かせないジョッキーとして活躍中。

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