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【ローズS予想】存在感を増す前走1勝クラス組

  • 2023年09月12日(火) 12時00分

前走1勝クラス組でどんな馬に注目すべきか


 過去10年のローズSを前走クラス別に振り返ると、前走GI組が[7-2-3-47]とさすがの強さを見せている一方で、次に着度数上位となるのは前走1勝クラス組の[3-4-3-39]である。春の実績馬が本番直行を選ぶ割合が年々強まっているので、前走1勝クラス組の成績は今後上がっていくものと思われる。さらに今年は前走オークス組が前走4・8・10着、10・5・18番人気なので、前走条件戦組の好走できる余地が広い。

 では、前走1勝クラス組の中でもどんな馬に注目すべきか。まずひとつめはキャリアである。当然のことながら、キャリアを重ねてもまだ1勝クラスにいるという馬よりも、キャリアの浅い馬のほうが有望だ。

 先述した過去10年の1勝クラス[3-4-3-39]のうち、キャリア5戦以下が[3-2-0-8]に対し、キャリア6戦以上は[0-2-3-31]。後者からも複穴は出ているが、前者に該当する馬がいればそれを狙うのが手っ取り早い。

 そして、キャリア5戦以下から馬券に絡んだ馬には共通する条件がある。芝の条件戦では馬券圏内を外していなかったということだ。

 15年1着タッチングスピーチは4着以下だったのがチューリップ賞と忘れな草賞。17年1着ラビットランはその前走ではじめて芝を使い1着。18年2着サラキアはチューリップ賞とフローラSで4着だった以外は3戦3連対。21年1着アンドヴァラナウトはそこまで2・2・1・2・1着。22年1着サリエラは1・1着。

 過去10年よりさらに前になると前走1勝クラス組の好走がかなり少なかった時代で、前走1勝クラスかつキャリア5戦以下からローズS好走という事例がほとんどない。平成以降でも先に挙げた以外に2例あるだけ。ただそんな中でローズSを勝ったレクレドール(04年)はそこまで4戦すべて3着以内。参考にならないくらい古い例だがリンデンリリー(91年1着)は芝で1位入線13着降着と、1着だった。

 今年は前走1勝クラスからの登録馬が11頭で、うちキャリア5戦以下は6頭。この6頭はいずれも芝の条件クラスで4着以下にはなっていない。ちょっと該当頭数が多いが、個人的にこの中から本命馬を選ぼうかと考えている。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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