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【ローズS・セントライト記念】皆が目指すラスト一冠への切符

  • 2023年09月16日(土) 12時00分

夏を越して成果を実らせる


 ひと夏を越した3歳馬たちの戦いも大詰めを迎える。春の実績馬たちは充電期間にあてて満を持して登場するが、レースで地力の強化に励んだものは、力試しと挑んでくる。秋華賞、菊花賞に向け、どんな顔ぶれになるのか、興味津々のトライアルだが、今週のローズS、セントライト記念を掘り下げてみた。

 牝馬は、春の二冠馬リバティアイランドをはじめ実績馬たちが本番に直行するものが多く、トライアルのローズSは、多くの馬にチャンスが出てきた。

 この3年は中京2000米で行われたが、今年は4年ぶりに阪神の1800米。広い外回りでワンターンなのである程度の位置から速い脚を使えるものが有利と考えるのが一般的だ。この10年、勝ち馬の前走を見るとオークス組が7勝、条件戦を勝ったものが3勝となっている。このうち夏の上り馬が勝ったケースを見ると2年前のアンドヴァラナウトは前走新潟2000米を1分58秒2の好タイムで勝っていて、そこまで5戦2勝2着3回の好成績だった。そしてローズSではスローペースを6番手から、上がり3F33秒8で差し切っていた。

 また阪神の1800米で一番新しく勝ったのは6年前のラビットランで、前走中京1600米を4角大外から33秒0の切れ味を見せて勝ち、そこまで4戦2勝、5戦目がトライアルだった。そして抽選を突破して出走し平均ペースに後方から大外をついて33秒5の末脚でスケールの大きいプレイで8番人気での金星を挙げていた。

 今年の顔振れでは、オークスからの直行組では阪神外回りで魅力を増すソーダズリングを。オークスは距離が長かったが、この距離ならチャンスが広がる。条件組からは、2連勝して5戦2勝の2着2回のラファドゥラを。前走福島の1800米を大外一気に差し切っていた。注文のつかない馬というのが魅力だ。他では、昨秋特別戦でリバティアイランドに勝ったことのあるラヴェルを。オークス4着は、ここでは上位と見るべきだろう。

 一方のセントライト記念は、今年は皐月賞馬でダービーはクビ差の2着のソールオリエンスが出走してくるので、中心はこれしか考えられない。ここまで4戦3勝、敗戦はダービーだけ、実績のある中山では譲れない。ここはダービー出走組が勝つことが多いが、ここ2年は違っていた。昨年のガイアフォースは夏の上り馬で、前走小倉の2000米を7馬身差の衝撃的なレコードで勝っていた。4戦2勝2着2回で5戦目がトライアルの勝利だった。

 2年前のアサマノイタズラは、ラジオNIKKEI賞が不利があっての大敗だったが、ここで大外からの最速の上がりで本領を発揮していた。ソールオリエンスの相手にはこの種のものを捜したい。新馬戦でソールオリエンスとクビ差の接戦をしていたレーベンスティール、中山で巻き返しが期待できるホープフルSの勝ち馬ドゥラエレーデを。

「見据えるは ラスト一冠 それだけだ」

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ラジオたんぱアナウンサー時代は、日本ダービーの実況を16年間担当。また、プロ野球実況中継などスポーツアナとして従事。熱狂的な阪神タイガースファンとしても知られる。

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