船橋の名伯楽であった川島正行調教師が亡くなられて２年近くが経過した。
前回のコラムに書かせて頂いた通り、今年の東京ダービーは中央で条件戦を勝って移籍したばかりの馬が７馬身差で圧勝した。
勝負にタラレバは禁物だが、もし川島師が病に倒れず今も船橋で調教師を続けておられたら、今回の結果をどの様に思われただろう。

いや、この問いは間違えているのだろう。
もし川島正行と言う天才調教師が未だ船橋で手腕を振るっていたならば、大切な東京ダービーを中央の条件馬にこんなに簡単には勝たせなかっただろう。

アジュディミツオー、シーチャリオット、ナイキアデライト、フリオーソ、キタサンテイオー、サプライズパワー、ナイキハイグレード、マグニフィカなど活躍馬は数知れず、地方競馬に馴染みの無い中央競馬ファンにも名の知れた名馬を多数送り出した。
東京ダービーは通算５勝。調教師として最多勝をあげていた。

また地方競馬調教師として中央競馬のみならずドバイに挑戦するなど、他の地方競馬調教師とは確実に一線を画していた。
2014年9月享年66歳。定年まであと４年もあった。さぞや無念だった事だろうと思う。

衰退の一途をたどる地方競馬界には、もう川島さんの様な凄い調教師は現れないような気がする。
それでも地方競馬に光射す新たな調教師が現れる事を心の底から望んでもいる。

＜お詫び＞
勝利したバルダッサーレ号と関係者皆様には『中央の条件馬』と言った表記をお詫び致します。
筆者の感情を適切に伝えるための表記であり、決して皆様の偉業を傷つけるつもりはありません。
何卒ご容赦下さい。宜しくお願い致します。