勝ち上がりのトーナメントに近い形が理想のクラシックのステップレースで、続けて負けている馬に期待するのは正解ではないパターンに陥る危険大だが、あえてフライングアップルに注目したい。この馬、ローレルゲレイロとともにこの世代の候補の基準の馬というか、踏み台のような位置にあり、ここもフライングアップルに先着する馬がいると、フサイチホウオーの場合と同じように候補に浮上する形が考えられる。
フライングアップルは、ファンタスティックライト(藤沢厩舎にはその産駒のジャリスコライトがいる)と同じ父ラーイの考えられる特徴を早くも出しはじめている。スケールを感じさせる好馬体を誇るが、崩れないタフな面を受け継ぐと同時に、ちょっと詰めの甘さがありスパッと切れない。またフライングアップルの場合、母ローザロバータまで、グレードレースの2〜4着が計13回もあった少々詰めの甘いタイプでもある。
そこでというわけでもないが、横山典騎手にチェンジしてきた。当面の相手と思えるサンツェッペリンも、エーシンピーシーも、さらには2連勝中のフェラーリピサも早めに抜け出して勝負したいタイプ。
フライングアップルは、今までのように正攻法の好位差しを目指すのではなく、思い切ってタメる可能性がある。それで切れるかは保証の限りではないが、これまでの戦法だとまた善戦止まりに終わり、クラシックへの展望は広がらない危険大だろう。使いつつ良化型らしく、馬は確実に良くなっている。一変の追い込む形で、これまでとは違った良さが出ることに期待したい。まずバテないだろうエーシンピーシーが強敵。フェラーリピサは1800mならスピードで圧倒の可能性を秘めると同時に、芝(坂のあるコース)では、典型的なアメリカ血脈の弱みが出る危険もあり、とりあえずは単穴の評価としたい。