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いよいよ来週より2歳セール

  • 2007年04月03日(火) 23時51分
 まだ北海道は朝晩を中心に小雪の降るような寒い日もあるのだが、先日静岡では今年初めての真夏日を記録したという。ほ、ほんまかいな、とテレビニュースを見て腰を抜かした。桜が見ごろのところも多いようで、やはり春が訪れているのは間違いなさそうだ。それにしても、日高は昨日の朝もうっすら積雪があったほど。この桜の時期はことのほか本州との気候の落差を感じてしまう。

 そんな中でも、2歳馬たちは順調に調教が進められており、いよいよ来週からは群馬県の境共同トレーニングセンターを皮切りにトレーニングセールが始まる。

 このセールは正式名を「第1回群馬・境TCサラブレッドセール2007臨時市場」といい、来る4月9日(月)に開催される。境共同トレーニングセンターは、廃止になった高崎競馬場の専用トレセンとして開設され、利用されていた施設だが、2004年に高崎競馬が廃止された後は、民間の(株)境共同トレーニングセンターとして発足。その後、南関東・大井競馬の認定外厩としても使用されるようになっている。

 民間施設なので収益を上げなければならない。またこの施設をPRし、知名度をアップさせる必要もある。

 そうした事情から考案されたのが、この2歳馬トレーニングセールだという。現在のところ上場予定は31頭。この施設で調教された馬のみならず北海道からも上場申し込みがあり、関係者の期待は大きいと聞く。

 詳細については同トレーニングセンターのHPを参照していただきたいが、上場馬31頭の詳細なブラックタイプと立ち写真が掲載されていて、初の試みにしては上出来である。

 「どんな馬なのか」を知る手がかりとして、ブラックタイプとともに本馬の立ち写真は必須条件だ。車に喩えると、性能などを記したデータと外観の写真がセットになって、初めて「カタログ」としての役割を果たす、ようなもの。これは北海道で開催されるトレーニングセールでも顧客への情報提供のためにぜひ検討して欲しいと思う。

立ち写真

 さて9日は、午前8時に受付開始、9時より騎乗供覧、11時より比較展示、そしてせり開始が午後1時となっている。今年度初の市場、しかも群馬では初めての2歳トレーニングセールとあって注目度は高い。首都圏から近いという地の利もあり、31頭の上場馬が果たして何頭がどれくらいの価格で落札されるか、ひじょうに興味深い。

 なお、その後、4月23日には阪神競馬場にて「JRAブリーズアップセール」が控えており、それ以降も、「九州トレーニングセール」(5月7日、JRA宮崎育成牧場)、「千葉サラブレッドセール」(5月14日、船橋競馬場)、そして5月21日と22日両日には「ひだかトレーニングセール」(JRA日高育成牧場)と毎週のように2歳馬のトレーニングセールが続く。締めくくりはHBA(日高軽種馬農協)主催の「HBAトレーニングセール」(6月25日、札幌競馬場)である。

 現段階で、これら一連の2歳セールに上場予定の馬は全部で525頭にも及ぶ(境共同TC31頭、JRAブリーズアップセール80頭、九州28頭、千葉59頭、ひだかTS165頭、HBA162頭)。「即戦力」としての需要は根強く、そして昨今はもう以前のように売れ残り馬が調教という付加価値だけをつけられて上場してくるようなケースは相対的に減ってきているように思う。今年は極力、これらの市場に積極的に足を運ぶつもりでいる。

追記:3月中旬、JRA日高育成牧場にて今年のブリーズアップセール用カタログ写真の撮影を行なった。南国宮崎と異なり、時折雪さえ降るあいにくの天候。これで3年目だが、毎年3月の不順な空模様には本当に泣かされる。宮崎(上場馬24頭は九州で育成されている)がこういう時は羨ましくなる。

岩手の怪物トウケイニセイの生産者。 「週刊Gallop」「日経新聞」などで 連載コラムを執筆中。1955年生まれ。

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