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皐月賞

  • 2007年04月14日(土) 12時50分
 今年、候補がいっぱいあふれている気がする。昨年は2冠馬メイショウサムソンが出現するが、同馬は皐月賞6番人気。アドマイヤムーンとフサイチジャンクが人気を2分し、しかし、1〜2着したのは全く別の2頭で、2着もドリームパスポート。こちらは10番人気だったが、実はメイショウサムソンとともに世代を代表するエースだった…というのが昨年。今年のフサイチホウオーと、アドマイヤオーラはもっと強力な気もするが、ムードはきわめて昨年と似ている。

 叩き上げ型の伏兵ナムラマースに期待したい。昨年夏、どうしてそんなにムキになって出走するのかと思えるほど北海道シリーズで7戦もしたが、1200mの最初の4戦は9頭立て8番人気で出発したように、慣らし運転のようなもの。5戦目から1800mに距離を延ばすと1、1、1着。札幌2歳Sより、1分48秒4で独走のコスモス賞(2着はローブデコルテ)はレコード。一気のスパートがすごかった。

 で、7戦もした北海道シリーズ。438…440…444…448…454kg。使うごとに少しずつ確実に馬体重が増えている。確かに使って良化の叩き上げ型だったのである(メイショウサムソンと似ている点を探すなら、母の父はサドラーズウェルズ直仔だ)。

 オーバーホールした後は、今度は12月のラジオNIKKEI杯から、ここまで3戦しただけ。だが、8分のデキだった12月から、448、454、458kg。またまた1戦ごとにたくましくなり、毎日杯を圧勝してきた。ピークの状態で皐月賞を迎えている。ズブいわけではなく、レコードのコスモス賞のように自力でスパートできる自在型。若い藤岡騎手だから能力以上に人気はないが、強気に挑戦してほしい。ラジオNIKKEI杯はペリエ騎手が立ち上がり、もう1回気を取り直してフサイチホウオーとは0.2秒差だけ。体が減っていたように当時は決して満足できるデキではなかった点に注目したい。父チーフベアハートもカナダ、米国のGI、GIIを中心に芝10F前後で12勝もしたタフな馬だった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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