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天皇賞・春

  • 2007年04月28日(土) 12時50分
 3000m級のビッグレースは、同じ京都で行われる菊花賞とこの天皇賞・春だけ。当然、2つのレースが強力に結びつくのはごく自然な帰結。

 たとえば最近10年に限ると、前年の秋の菊花賞好走馬か、あるいはその前の年の菊花賞好走馬が必ず「連対」している。そして、不思議なのは長距離のビッグレースなのに速い上がり時計が求められるためか、4〜5歳馬が断然有利。長い歴史の中、7歳馬は1度も勝ったことがない。2着したのも、05年のビッグゴールドただ1頭。

 だから、中心は4〜5歳馬から選ぶのがセオリーだが、それを承知で7歳馬アイポッパーに期待する。理由の1つは、かつてのようにバリバリ出走するオープン馬はともかく、最近はマトを絞っての出走なら、ベテランになっても能力減はほとんどないことが確かめられていること。今年、大ベテランの重賞勝ちが連続している。

 アイポッパーは、負けたとはいえ昨年の4着の時計は3分14秒9。これより速い時計での勝ち馬は、その昨年のディープインパクトと97年マヤノトップガンだけ。大体、京都3200mを「3分14秒台」で乗り切った馬は超一流のステイヤー以外、めったにいないのである。さらには、一昨年の3分16秒7も、振り返ると時計面ではきわめて優秀。「長距離戦こそ、その能力のバロメータは時計にある」と考えたいので、アイポッパーの長距離能力を大きく強調したい。

 目下3600m、3000mを連勝中だが、ステイヤーズSの3分43秒4も長距離戦とするときわめて中身が濃く、ハロン13秒台のラップは1度もなし。だから、好時計だった。今年の京都はいつもの年以上に時計が速い。デルタブルースが早めに動くと、スタミナ能力もフルに問われる。アイポッパーの長距離能力が全開することを期待したい。相手妙味は、トウカイトリックと、トウショウナイト。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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