注目の4歳馬カワカミプリンセスが半年ぶりに出走し、昨秋はちょっとカゲりを見せかけた6歳スイープトウショウは、この春、上がり32.7秒の切れで前走2着。まだまだ衰えていないところを示した。この人気を分ける2頭の総合能力上位は明らかだが、6歳スイープトウショウはいつもゴール寸前に猛然と伸び大接戦を演出する馬。3歳以降の6勝はすべて「0.1秒差」以内だから、今回もおそらくゴール寸前はきわどいのだろう。
一方、実際には1度も負けていないともいえるカワカミプリンセスの素晴らしい可能性は誰もが認めるところで、半年ぶりはさして死角でもない。だが、これまでのレースを振り返ると、初の1600mを1分33秒そこそこの快時計で乗り切れるタイプなのか?もっと長い2000m級がベストなのではないかとの心配はある。2頭を有力としても、時計の速い1600mで、なおかつ猛ペースにもなりそうもない今年、大接戦だろう。割って入ったり、2頭をマイル適性で上回るかもしれない馬を探したい。波乱続きの今春でもある。
スイープと同じ6歳の芦毛馬ジョリーダンスは、途中で1年半近くも休んだため実績はないに等しいが、復活したあと最近5戦は1、2、4、1、1着。GIIの阪神牝馬Sを1分20秒7で快勝するほど立ち直っている。この馬、まだ条件馬だった05年春、東京1600mを1分32秒9(オレハマッテルゼと接戦)の記録があり、東京1600mに限ると1、2、1着のスピード型だ。
東京のマイルに1分32秒台を持つのは、この馬と、スイープトウショウだけ。スイープの記録1分32秒3は、同じころの05年春、安田記念2着の快時計である。当時すでに侮りがたいスピード能力を手にしていたジョリーダンスが、今やっと本格化。こと1600mなら、そう見劣る力関係ではないと考えたい。伏兵は、差す形になったときのコスモマーベラス。東京向きコイウタ。もっと大穴ではアグネスラズベリ(昨年5着馬)の切れにも注目したい。