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安田記念

  • 2007年06月02日(土) 12時50分
 前走のマイラーズCまで、5歳コンゴウリキシオー(父ストラヴィンスキー)は、中距離向きの平均ペース型で、1分47秒3にとどまる1800mより、1分57秒4の記録を持つ2000mぐらいがベストと考えられていた。

 ところが、初めて1600mに出走の前走、なんと1分32秒2の阪神レコードの快勝だった。新阪神の1600mはまだ「26R」行われたのみで、1分32秒2の価値はやや不透明なところもあるが、2番目が改修直後の12月にウオッカの記録した1分33秒1。3番目には桜花賞のダイワスカーレットなどの1分33秒7が並んでいる。

 コンゴウリキシオーの前後半800mずつのバランスは[46.6-45.6秒]。前半の方が1秒も遅く、普通マイル戦でレコードの出るようなペースではない。

 ここのところに大きな可能性がある。いままで隠れていた快速型は、もう少しピッチを上げてもバテないのではないか。前半の半マイルを安田記念の最近のモデルパターンの46.0秒前後で行くと、一定ペース型に近い同馬はバテることなく後半も46.0秒前後でまとめ、自分自身でペースを作って1分32秒0前後(最近4年の安田記念の勝ち時計平均は1分32秒4)で乗り切ってしまうのではないか、の展望ができる。

 ヌレイエフ(ストラヴィンスキーの父)の直仔は、ブラックホーク、ハートレイクが安田記念を制している。コンゴウリキシオーは、ノーザンダンサーの(3×4×5)のクロスを中心に、ミスタープロスペクターの(4×4)、さらにはアルマームードのクロスなど、エルコンドルパサーのような強烈な血の凝縮がその血統背景で、いままで隠されていたが、大変なマイラーではないのかと期待が大きくなった。

 最近、どのビッグレースも先行残りが多く、この安田記念も最近は乱ペースにならない。「自分で逃げて1分32秒0前後」に挑戦するはずの、コンゴウリキシオーに期待する。

 香港勢では、ザデューク、グッドババの2頭に妙味を、時計の裏付けがある。ザデュークの香港マイル(12月)はレコードと0.1秒差だった。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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