夏の古馬牝馬の重賞となったクイーンSは、秋のGIシリーズに向けての始動の一戦となり、現在は王道にも近くなっている。最初の00年のトゥザヴィクトリーを出発に、ファインモーション、テイエムオーシャン、そしてヘヴンリーロマンス…など。今年も、秋のGIシリーズを展望する馬、秋の展望を広げたい馬が揃った。
先行馬向きの流れになる(始動のレースだから、みんなそうムキになって行かないため)点では、まず、アサヒライジングは有利。あと一歩の詰めを欠く惜敗の多い馬だが、洋芝の小回りコース。早め先頭の形になれば凌ぎ切れる。
同じように、あと一歩の詰めを欠く印象のあるフサイチパンドラを中心に期待した。この馬、ムラでなおかつ決定力不足のイメージが強いが、ここ2戦のマイルはもともと不向き。明らかに平均ペースの中距離型で、距離1800m〜2200mに限れば、その成績は、1、2、3、3、1、2着となり、実は崩れていない。
札幌の洋芝は初めてだが、プラスこそあれ、まずマイナスはないだろうと思えるのは、ロングスパートをかけて粘りこむ形になれば簡単にはバテないからである。
父サンデーサイレンスに、ヌレイエフ牝馬の配合は、00年のこのレースを制してトップクラスの仲間入りしたトゥザヴィクトリーと同じで、さらにはゴールドアリュールとも同じ。確かに詰めは甘いところがあり、最後はダートでGI級に育ったのはバテない粘り強さが活きたものだが、フサイチパンドラも川崎のエンプレス杯に出走すると、いきなり粘って2着だった。ダート適性の高いところも、距離適性も似ているから、トゥザヴィクトリーにイメージをダブらせたい。快調教のわりに馬体は太く見えたが、持ち味フルに発揮のロングスパートに期待したい。
北九州記念は、独特のピッチ走法で典型的なスプリンターと思えるアストンマーチャンが中心。この距離なら差す形もとれる。