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キーンランドC

  • 2007年08月25日(土) 12時50分
 最強の1勝馬などといわれる3歳ローレルゲレイロ(父キングヘイロー)は、ここまでの成績[1-5-2-5]。一気にスパートして抜け出して勝ったと思えた1600mの朝日杯FSが、0.1秒差の2着。抜け出すのをギリギリまで我慢して馬群をさばいたNHKマイルCが、ピンクカメオの大駆けにあってやっぱり0.1秒差の2着。

 勝ちみに遅い馬、あと一歩の詰めの甘い馬ともいえるが、2着5回はすべて重賞レースで、うち2回はGIランクのレースで0.1秒差だけ。能力はGI級といえる。さらに着外2回は2000mの皐月賞と、2400mの日本ダービー。がんばって1600mまでの重賞では勝ち負けに持ち込んでいるが、本質がひょっとしてスプリンターにも近い「スピード型」だとしたら、一連の成績は素晴らしい内容だろう。

 典型的なスピード型であるかもしれない裏付けはある。新馬デビューは函館の1000m。58.5秒の好時計で逃げ圧勝だった。函館2歳Sは激しい先行争いを振り切って抜けたところをニシノチャーミーに差されたが、1200mの重賞で中身の濃い2着。1分10秒5もかかる函館の芝は、軽快なスピード系の同馬に本当は合っていなかったともいえる。

 父キングヘイローは距離を問わずにビッグレースで活躍したが、勝ったGIは1200mの高松宮記念だけであることも知られる。リファール、ダンシングブレーヴの父系は、ときに典型的なスピード型を送る系統で、ローレルゲレイロの場合は、母の父もなぜか短距離型が多かったテンビー。GI級の馬が53kgの軽量で出走できた。今回は勝ちみの遅さが出ないどころか、鋭く伸びて抜け出して不思議はない。内枠も荒れていない。

 新潟記念は、昨年の夏から秋にかけて体調ピークになり、叩き3戦目の朝日CC(中京左回り)を1分57秒4で快走したトリリオンカットで穴狙い。先行型は少ない。先行しての粘り腰に期待する。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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