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新潟2歳S

  • 2007年09月01日(土) 00時50分
 同じような能力なら、1戦だけの経験より2戦のレースキャリアのある馬の方が断然有利なのが2歳戦。また、距離経験のある、なしもきわめて重要な要素。新潟2歳Sは1600mになった02年以降、すべて1400m以上のレースで勝った記録を持つ馬が制している。

 ただ、これはわずか5年だけのこと。さして意味はないのもたしかで、もっとレベルが高いとされる1800mの札幌2歳Sでは、この10年でサクラプレジデント(後の皐月賞2着馬)など、1200mでの勝ち星しかない馬が3頭も勝っている。

 1200mの新馬を上がり33.9秒の切れで圧勝したエイシンパンサーは、2戦目、1400mのマリーゴールド賞は「すりきず」のため取り消し。出走していれば断然人気になっていたはずだった。キャリアは1戦だけだが、出走の直前まで進んだから全くの1戦のキャリアとは少し異なると考えたい。

 魅力は大きく広がりそうな種牡馬コロナドズクエスト(牝系の近いところに米のラフィアンがいる)産駒であること。どちらかというとフォーティナイナー系らしくダートの短距離向きの予測もあったが、もう全国の現2歳世代で6頭(7勝)が勝っているだけでなく、新潟2歳Sと小倉2歳Sに3頭もの出走馬(すべて芝での勝ち馬)を送ってきた。

 輸入されて約3年ばかりで同じように死亡してしまったこと。最初は仕上がりの早さが売り物のスピード型と思われていたのに、アドマイヤムーン、スイープトウショウなどを送り、評価一変となったエンドスウィープ(同じフォーティナイナー直子)にダブるイメージがある。

 アドマイヤムーン、ユートピアなどを獲得し、フォーティナイナー系の広がる可能性を評価しているゴドルフィンの展望は、ほぼ正解のような予感もある。

 エイシンパンサーは牝系はマックスビューティーの一族で、配されてきた種牡馬にも短距離型はいない。ゆったり加速し、途中からスパートした内容から、体形はかなり寸詰まりでも1600mぐらいは平気だろう。タケミカヅチ、タケショウオージが相手本線。リーベストラウムも3戦目で大きく変わった。

 札幌記念は、休み明けはOK。本質はスピード系で2000mこそベストのマツリダゴッホが中心。スロー必至。この馬は自分から早めにスパートできる点が強みだろう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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