先週のセントライト記念では新星ロックドゥカンブが抜け出し(菊花賞出走を表明)、ダービー・6着のゴールデンダリアがただ1頭のダービー組の面目を保って2着。東の、全体の勢力図の中では2番手グループと目される馬は、一応期待通りだった。
ここが事実上のトライアル。ダービー・1番人気のフサイチホウオーは、仕上げた本番で目つきが反転するほど精神的に危ない一面を持っていることを露呈してしまったが、秋の成長はどの程度だろうか。一方、まともに調教ができるようになった皐月賞馬ヴィクトリーは、どんなレース運びになるだろうか。新星は台頭するか。いきなり最終ステップを迎えるだけに、今のところ信頼度の高い中心馬はいないとされる「菊花賞路線」は興味が大きい。
ダービー・5着のドリームジャーニーに期待したい。線の細さも重なって、表は1600〜2000m級が理想と思える切れ味優先のスピード型の成績だったが、メジロマックイーンの牝馬にステイゴールド。体つきはこの父系だから大きくは変わらないだろうが、内面はもっとたくましくなる可能性が大きい。先行馬こそ揃っているが、2400mになったトライアルはそう厳しい流れになるとは思えず、ダービーの2400mよりは軽いレースになること必至。後半、各馬ともに相手のスパートを待ちながらの手の内を探りあいになる公算が大きい。切れ味勝負の、実質1600〜2000mのようなレース。
また、トライアルらしい各馬ともに思惑のある流れは武豊騎手のもっとも得意とするところでもある。どのくらい速い脚が長続きするのか、有力馬の中では一番早くスパートすると考えたい。(伏兵陣の中では、まだ脆いレース内容だがホクトスルタンの父方は、3歳の秋に大変身するのがパターン。これも横山典騎手向きだろう。マンハッタンカフェ産駒2頭の中では、強気に動いてでそうなマイネルキーロフに魅了がある。