スマートフォン版へ

スプリンターズS

  • 2007年09月29日(土) 11時00分
 初芝だったアイビスサマーD。そして5馬身差の独走を決めたセントウルSとは違って今度は人気の中心だが、単勝77.1倍の直線1000mも、タイレコードの1分07秒1で圧勝の前走も、可能性に秘かに期待していた陣営でさえ驚いたのが、牝馬サンアディユ。

 アイビスサマーDは平坦の直線。それも渋った馬場で時計がかかったから、それまでダートの短距離専用でやや一本調子のスピード型が、ツボにはまった感じもある。史上最高の上がり3F31.6秒で勝ってしまったイルバチオと同じようなところもあった。

 しかし、セントウルSはすごい。前半の3Fが33.5秒ですんなり2番手に行けたとはいえ、後半も33.6秒。2番手以下を5馬身も離してしまった。

 ビリーヴの1分07秒1のレコードとタイ記録だが、差す形で(33.6-33.5秒)レコードを打ち立てたビリーヴとほとんど似たラップを、サンアディユはほとんど逃げ切りにも近いような形で記録したのである。もまれた経験が少ないので、まだ北九州記念のようなモロさを見せる危険もあるが、このバランスラップを踏めるのだから能力はA級のスプリンター。位置取りは関係なく、自分の一定スピードで1200mを1分07秒前後で乗り切れる馬ともいえる。セントウルSのあと02年のスプリンターズSを勝ったビリーヴと、これはたまたまだが同じ牝系ファミリーの出身で、8代母(1920年代)は同じ牝馬である。

 当然、バランスはHペースとはいえ、猛然と競り合う馬がいそうもない今年は、同じような同型の牝馬アストンマーチャンも、気分良く自分のリズムで先行できる可能性大。こちらは2歳時にすでに前半32秒台で飛ばして快勝の記録を持つ典型的な快速系で、中舘騎手を配してきた。一気に行く公算大。突っ込んでくる候補NO.1はキングストレイル。伏兵は1枠の2頭だろう。

このコラムをお気に入り登録する

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

バックナンバー

新着コラム

アクセスランキング

注目数ランキング