いつもの年にも増して高速決着を思わせる秋の芝は、発表より芝の長さが短く映るほどで、ひょっとすると昨年ダイワメジャーが抜け出した1分45秒5の勝ち時計よりもっと速くなるかもしれない。
東京1800mの、ましてGI級の揃うメンバーには「展開うんぬんは関係ない」とされるが、安田記念を(45.9秒=46.4秒)の高速バランスで寸前まで粘ったコンゴウリキシオーが行く。京成杯AH(1600m)を、前半5F57.8秒で通過したストーミーカフェは、前半はなだめたとしても途中からスパート。また、調教でもかかったトップガンジョーは、新潟記念と同じように抑えが利かない危険がある。先行型有利の高速決着には違いないが、息の入れにくい厳しい流れが予測される。
そのコンゴウリキシオーは迫力満点だが、安田記念時より重めが残っている感がある。また、GI・4勝のダイワメジャーも最終追い切りで珍しく格下馬の外に出してきたあたり(ステップレースだから当然だが)、多少とも余裕の残る馬体に映った。
秋に1戦したブライトトゥモローで好勝負だろう。もちろん格は下だが、前走の上がり3Fはインティライミと同じ33.3秒。ゴール寸前は一気に迫っていた。父の産駒は大半があまり切れる馬ではなく、一定スピードを持続させるような渋さがあるから、芝なら新潟や東京の長い直線向きとされることが多いが、母の父トニービンのブライトトゥモローはさらにこれが強調されて、鋭さが長続きするイメージがある。
事実、新潟と東京では1、1、2着。昨秋、初めて東京に出走時など、放馬して大丈夫かとみえたが、上がり33.3秒で楽勝だった。ダイワメジャーを目標に、このあとのGIで通用するかどうか、いつもより早めにスパートするだろう。好勝負に持ち込めるはずだ。
連の相手に、今回は人気薄でも春の鋭さが戻っているピサノパテックはぜひ加えたい。