昨年の毎日王冠を出発に古馬中距離路線のトップの1頭に立ったダイワメジャー。6歳の秋を迎えて引き続き頂点の1頭の評価は変わらないか?互角の能力を示し、天皇賞・秋でダイワメジャーとともに有力馬となる馬は出現するか?この2点が主な見どころだった。
この結果を続くGI格の天皇賞・秋にどう結びつけるか。さまざまな観点が成立すること必至。秋の天皇賞路線は、直行のアドマイヤムーンなどは別に、毎日王冠をステップにしたグループは評価が非常に難しくなったろう。
ダイワメジャーは宝塚記念で減った馬体も回復し、ほぼ満足できる仕上がりだった。レース運びもいつもの正攻法で、抜け出しかけた坂下では当面の相手と思える勢いで伸びかけた外のブライトトゥモローに馬体を併せに出ている。そのブライトトゥモローにとうとう交わさせなかったのは、昨年の毎日王冠や天皇賞・秋と同じようなレース運び。心もち反応が鈍く映ったが、少しローテーションの狂った休み明けを考えれば仕方がないだろう。
昨年の毎日王冠とほぼ同程度の内容を見せたとしていい。だが、全体の流れが速く、また絶好の芝コンディションとあって勝ち時計は昨年を1.3秒も上回る1分44秒2。
快時計になるときの安田記念や天皇賞・秋そしてマイルCSがそうであるように、ずっとハロン「11秒台中盤」のラップが続くと、いろんな馬の秘められていた可能性が引き出されてしまう。紛れのないコースで、紛れの生じにくいラップが連続した結果による快時計のレースは、「各馬に差がつかない」。不思議な競馬のパターン通りだった。
ダイワメジャーは天皇賞・秋に向けて、負けたとはいえ合格点。能力減、6歳秋のかげりはない。だが、毎日王冠組には昨年以上に上昇の可能性を持つ馬がいることがわかった
チョウサンはこの秋、一段とストライドが大きくなると同時に、差す形を完全に身につけた。この毎日王冠、展開うんぬん、ペースうんぬんは大半の馬に好走、凡走の要因ではないだろう。一定ペースの高速決着だったからだ。
57kgでダイワメジャーを差して1分44秒2なのだから強気になれる。ツボにはまったというレース運びでも位置取りでもなかった。
アグネスアークの秘める可能性はいつも素晴らしいと思うのだが、また今回体が減り腹が巻き上がっていた。トモの筋肉など落ちてはいなかったから今回の快走に結びついたと思えるが、さすがにこのあとは…だろう。ステップレースが100点以上だった気がする。
ブライトトゥモローは気配満点。好時計の決着を読んでダイワメジャーをぴったりマーク。位置取りもこの毎日王冠では最高のポジションだったが、並んだメジャーを交わせなかったあたりに限界もあったか?本番は一転、タメる作戦で爆発力を活かす作戦だろう。
コンゴウリキシオーはプラス6kg以上に体つきに今回は鋭さを欠いた気がする。伏兵にリズムを崩されたうえ、ぴたっとダイワメジャーにマークされたわりに失速しているわけではない。天皇賞・秋2000mではもっと楽なマイペース可能になること必至、巻き返してくる。10着ヴリルまで1分44秒台。こういう高速レースの評価はやがて時間が経つほど難しくなる。