最近数年、05年ディープインパクトを別にすると伏兵中の伏兵ばかりが勝って馬単の万馬券が続出している。単勝配当が17倍、36倍、20倍、45倍、-、44倍と連続するからすごい。
長距離戦が少なくなり、秘められている3000m級の勢力図は(もともと波乱の歴史なのだが)、一段とつかみにくくなっている。ヒシミラクルや、デルタブルース、ソングオブウインドのような秋の長丁場で一変する馬を探したい。
メジロアサマ…メジロティターン…メジロマックイーンと連続してきた長距離OKの父系が消滅しようとしている。シンボリルドルフ…トウカイテイオーと続く、同じパーソロン分枝も同じ。ヒンドスタン系、チャイナロックの父系に続き(パーソロン系)も消えるのかもしれない。
菊花賞は、皐月賞が10頭、ダービーが13頭であるのに対し、同じように約70年の歴史の、なんと「24頭」もの父内国産馬が勝っている。なおかつ、うち8頭が父子制覇である。渋い成長力を秘め、底力やスタミナに優れているのが内国産種牡馬の特徴のひとつなのだろう。
ホクトスルタンに期待したい。もしこの馬がやがてGI級に育つなら、細い糸のように続いてきたメジロアサマからの父系が連続するかもしれない…。そんな期待もある。事実、逆転の波乱を受け入れる3000mの菊花賞はそういう歴史の積み重ねでもあった。メジロマックイーンの活力は明らかに衰えているが、ホクトスルタンの強みは、母の父にサンデーサイレンスを持つこと。このプラスは大きい。また、牝系にはリアルシャダイ、シーホークなどの血が流れ、昨年の勝ち馬ソングオブウインドと同じファミリーでもある。理由は乏しいが、菊花賞では芦毛馬が5頭も勝っている(ダービーは1頭だけ)。大きく広がるグレイソヴリン系の幅の広さを表しているのだろう。
横山典弘騎手は、セイウンスカイの逃げ切りをはじめ、目下4年連続連対中。ことのほか長丁場のペース判断に自信をもつのも、菊花賞では大きなプラスだ。同じように先に行きたい馬はいるが、みんなペース判断には自信がないはずで(長距離戦が少なくなったからもあるが)、外枠は不利でも、途中から横山典=ホクトスルタンのペースになる可能性は大きい。表の組ではヴィクトリー、別路線ではもちろんロックドゥカンブを相手の主力にしたい。デュオトーンも加えたい。