非常に見どころの多い牝馬GIになった。まず、レベルきわめて高しとされる3歳世代は同期だけの限定レースを終え、古馬との対戦が始まる。3歳牝馬のレベル高しは衆目の一致する見方だが、現在の選手権距離にも近い2000m前後のレースではトップの対決はこれが初めて。ウオッカ、ダイワスカーレットなどは、スイープトウショウ、フサイチパンドラを簡単に倒せるのだろうか。もうキャリアが明暗を分ける時期はとっくにすぎている。敗因を若さに求めることはできない。
人気の3歳2頭。互いに負けたくない意識が(陣営も重なって)非常に強いが、この距離でどっちが(今回は)先着する可能性が大きいか。お互いをライバル視しているが、もう限定戦など終了している。勢力図や力関係を読み違えている危険はないか。
古馬陣の「ツボにはまれば…」の怖いタイプに、武豊、ルメール、横山典、藤田騎手などが乗っている。ダイワスカーレットは、ウオッカを返り討ちになどといっているが、古馬陣に2頭まとめて返り討ちにあってしまう危険はないのか。
人気を考えると、馬券の妙味はディアデラノビア、ディアチャンスあたりにありそうに思えるが、3歳馬を倒せるだろうか。
最大のカギはペースにありそうだ。アサヒライジングの主導ではおそらく速くならない。スカーレットも距離があるからそう早くは動かない。スローに近い流れと読めば、もっとも有利はウオッカ。東京2400mを、究極の上がり33.0秒で独走に持ち込んだ爆発力は、中距離のスロー〜平均ペースでこそ全開すること必至。幸い外回りの京都だから、自分のベストの形を崩す策を取る必要がない。今回は春の体つきとちがって研ぎ澄ました鋭さを感じさせる馬体になってきた。自信を持って爆発力を生かすレースに徹することができるはずだ。
相手は、やっぱりスローでこそ切れるディアチャンスと、ディアデラノビアを主力にする。