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マイルCS

  • 2007年11月19日(月) 12時50分
 まるで昨年のリプレイを見ているかのように、勝ち馬は位置も通ったコースも同じ。ほぼ同一と思えるようなレースが展開され、6歳ダイワメジャーの鮮やかな先行抜け出し。史上5頭目の連勝馬が誕生した。トップマイラーはそうそう簡単に崩れないとされる。しかし、ずっと若い4〜5歳馬に良績集中の歴史が続いてきた中にあって、ベテランになった5歳時と6歳時に連勝したのはこのダイワメジャーが初めてだった。

 この秋は毎日王冠で伸び悩み、天皇賞・秋では不利があったとはいえ9着に沈み、さすがに昨年の再現は難しいかと思えたが、昨年とまったく同じ1分32秒7で乗り切っての完勝はもう素晴らしいとしかいいようがない。レースの流れは前年と異なるのに、昨年と勝ち時計は同一の1分32秒7。チャンピオンマイラーの「不思議」がまたまた繰り返されたことにも驚く。最初に連勝したニホンピロウイナーは、2年連続して1分35秒3。97〜98年に連勝したタイキシャトルは、2年連続して同じ1分33秒3。

 そしてダイワメジャーのまたまた同一勝ち時計での連覇。A級のマイラーは馬場状態がほぼ同じで、大きな体調の変化がないとき、道中のペースなど違ってもここまで同じ時計で乗り切れるものなのだろうか。03〜04年に連勝したデュランダルは後方からの直線一気型。ペースしだいになるからとても同じ時計で乗り切れるなどとは思えないが、記録は03年が1分33秒3で、04年が1分33秒0。限りなく同一に近い。恐るべし、トップマイラー。少々のことでは不変のスピード能力は崩れない。24年間で5頭もの連勝馬が生まれるのだから、マイル戦こそ競馬の「基本の距離」。これにも改めて納得するしかない。毎年こういう馬がいてくれると助かるようで、実は、案外つまらないだろうけれど……。時々はいて欲しい気はする。そういえばブリッシュラックも、チャンピオンズマイルを2年連続して同じ時計で走破し、安田記念も2年連続して同一に近い時計で走っている。

 マイル戦がほぼ順当に決着するときのパターンどおり、前半の半マイルが46.4秒=後半が46.3秒。紛れの生じる流れではなく。能力のある馬が好走する流れだった。その結果、ダイワメジャー以下5着まで、みんな上位5番人気内の馬だけ。

 もしトップマイラーに育つなら、4歳スーパーホーネットと、同じく4歳アグネスアークは5歳になる来年も同じような時計で乗り切って好走必至。そういう期待が生まれたことにはなる。もっとスケールアップするに越したことはないが、記録は忘れないでおきたい。5歳スズカフェニックスもまだ馬体はもっと良くなる。

 期待したカンパニーは、後方に控えているつもりはなかったと思えるが、前半から行きっぷりが悪く、仕方なく最後はインに突っ込むしかなかった。また無理のない平均ペースだったことを考えると、このペースで先行して粘れなかったグループは、GI級のレースではしばらくは苦しいだろう。

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1948年、長野県出身、早稲田大卒。1973年に日刊競馬に入社。UHFテレビ競馬中継解説者時代から、長年に渡って独自のスタンスと多様な角度からレースを推理し、競馬を語り続ける。netkeiba.com、競馬総合チャンネルでは、土曜メインレース展望(金曜18時)、日曜メインレース展望(土曜18時)、重賞レース回顧(月曜18時)の執筆を担当。

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