旧阪神の芝1600mで、このレースを最高時計で乗り切って勝ったのは、2冠馬に輝いたメジロドーベルと、同じく2冠を制したテイエムオーシャン。2歳12月のレースとはいえのちのクラシックを制するような馬は、このレースに出走するなら好時計で乗り切ってみせる。当時最高時計は1分34秒6。遅い時計のグループは大半が出世しなかった。
新阪神に移って、ウオッカ=アストンマーチャンがいきなり1分33秒1。コース変更のためこの時計がどういうレベルなのかは数年しないと比較の基準にならないが、ピンクカメオも、ローブデコルテも上位に入線していたから「破格」のレベルなのだろう。
1分33秒台で乗り切れるなら、翌春のクラシックを中心にトップグループとして活躍できる可能性がきわめて大きい。新コースはまだ2年目だが、そういう目安を設定したい。
11月の京都ファンタジーS(1分21秒1の好時計は史上2位)の中身から、今年もかなり速い時計になる公算大なのだが、エイムアットビップが飛ばさない限り流れは速くなりそうもない。新阪神の1600mはめったにハイペースにならないことになっている。
鋭い印象はなく、かなり地味なイメージを与えているが、一戦ごとに成長している伏兵カレイジャスミンを狙う。6戦のキャリアは最多。4戦目の1600mと、6戦目の1600mを全体時計は平凡でも、上がり34.4〜5秒で抜け出している。札幌2歳Sでも先行して寸前まで粘っていたのはこの馬だけ。細く映った体も480kg台にたくましくなってきた。
父タヤスツヨシ産駒にはこんな感じの渋い男馬ばかりが代表産駒として目立つが、タフな成長力があり、しだいにパワーアップすることが多い。カレイジャスミンは、アロマキャンドルもそうだが、3代母にオークス馬シャダイアイバーを持つ牝系。いまは地味でも、ここで好走できるとやがて有力馬の1頭に…の可能性を認めたい。